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グラフィックデザインの雨音

グラフィックデザイナー志望者&初心者に語りかけるブログ

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ラフって、何? 大まかなデザイン案の作り方②

5-GAVAN.jpg 

さぁ、昨日の記事に引き続き、ラフについて説明しまーす!

今日も掲載している画像は、学生さんが制作した新聞広告のラフの例です。卒業生の皆さん、ご協力ありがとうございます!

では、ラフの作成方法の3つ目の●デジタルのラフ制作からですね~。

 ●デジタルのラフ制作

そして90年代途中から現在までは、もちろんパソコンの普及によって、MACでラフを制作するようになったわけです。圧倒的な利点は、「レイアウト修正が楽」ということです。「レイアウト修正が楽」ということは、微調整を繰り返すことが出来るということで、このメリットは計り知れません。

アナログラフではスプレーのりで写真を貼りこんで作っていました。デザイナーは、写真や文字組の紙に、スプレーのりを薄めに吹き付けて、多少のレイアウト変更に対応できる準備をしておくという小技も持っていますが(笑)、レイアウトを大きく変更したいと思ったら、台紙から貼り直さないといけなくなり、大変でした。(皮肉なことに、だからこそその前の段階でのレイアウト検証を何度も厳しくやる意識があったのですが、今は・・・)


昔、残業時間にアナログラフを制作していたとき、デザオの隣の席で同じようにラフを制作していたデザイナーのヒラリー(男性/仮名)が、「ふわぁ!」と、突然すっとんきょうな声をあげました。「ど、どーしたん?ヒラリー」驚いた私に、ヒラリーは自分がしていたネクタイを見せて、「ネクタイ切ってしもたー!」と言ったのです。(@×@;)

アナログラフ制作に、定規とカッター作業はかかせません。ヒラリーは、うっかり定規で自分のネクタイを抑えこんで、紙とともにいっきにカットしてしまったのです。あんな面白いスーツの着こなしを初めて見ました(笑)

ま、それはともかく、アナログラフはとにかく手作業が大変でときどきネクタイさえカットするくらいだったのに対して、デジタルのラフ制作では、紙ゴミは出ませんし、「コピー用紙のムダ使いすんなー、ボケー!」と乗り込んでくる庶務の人とケンカすることもありません。

デジタル制作のラフでは、画像修正には多少手間がかかりますが、レイアウト修正くらいなら、その場ですぐやり直したり、修正したりできて、しかも、一度作成するとそのデータで、何度も同じクオリティでプリンター出力できます。

また、プレゼンテーションではお偉いさんの人数に合わせて、同じラフを何枚も用意する必要があることが多いのですが、アナログ制作のラフなら、コピー機でコピーするのにも画質が劣化するので注意が必要でした。しかし、デジタルで制作する現代のラフはそれがありません。

まさに画期的な進化です!

4-ディズニー

デジタルラフ制作のデメリットもある!?


さぁ、ここまでラフの制作方法の進化をご紹介しました!これだけ読むと「今はほんとに便利だね!」で終わる昔話のように思われるかもしれません。しかし、学生さんや新人さんにとってのデジタル制作ラフは、デメリットもあるなーと思うことがよくあります。

それは、「原寸感覚」がないことです。

アナログ制作経験のあるデザイナーは、B2ポスターとか、B3倍判のポスターとか、新聞10段広告とか言われて、感覚的に大きさが思い浮かびます。その中での文字の適切な大きさもわかります。しかし、最初からデジタル世代のデザイナーは、パソコンのモニターに表示サイズが制限されますから、あるポイント数の文字が、ポスターになるとどれくらいの大きさになるのか想像できません。

プリンターで紙を出力して、何枚かをつないでポスターサイズにしてみてやっと、「わー、この文字こんなに大きくなるんだー!」とか、「わー、この文字小さすぎて読めねー!」とか、気づくのです。

名刺などの小さな印刷物でも同じです。モニターでは、いくらでも拡大して細かくレイアウトできますから、文字もマークも複雑な凝り倒したデザインをしがちなのですが、実際に原寸でプリントアウトしてみると、小さ過ぎて文字が読めないとか、デザインが複雑過ぎて印刷時につぶれてしまい、何のマークかよくわからないなどのトラブルに気づきます。

ドライバーの車両感覚のように、デザイナーの原寸感覚は、とても大事なものです。

名刺やハガキ、A4チラシくらいの媒体よりも大きな広告なら、モニターより大きいわけですから、一度アナログラフの制作方法を経験することを強くオススメします。つまり、原寸サイズの枠の中で、写真や文字を切り抜いて置いてみてレイアウトする経験をおすすめします。

実際に読者が見る広告のサイズで、読者と同じ感覚で写真や文字を見ながらレイアウトする方法は、ちょうど絵筆で絵を描くのと同じです。一番、直感的な判断がしやすく、手を動かしながらレイアウトの機微を感じることができるからです。

でも現代の職場でそれを日常的にすることは難しいはず。なので、それが無理なら、せめてレイアウトの初期の段階から最後まで、頻繁にプリントアウトして原寸でチェックすることを何度も繰り返すことです。

さぁ、次回も、このラフの続きとともに、カンプについても書きますよ~。

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