デザインは儲からない!?デザイン業界は斜陽産業なの? ①
学生によく聞かれる質問から、はじめてみようと思います。
端的に言えば、「デザイナーは食っていけますか?」というような質問です。ま、こうきかれると、内心「うっ!」と詰まるのですが、それには、即答せずにいろいろ話を聞いて理解してほしいという、私なりの事情があるのです。
よくテレビで、成功している企業や製品について、「デザインのリニューアルで売上が大幅UPした!」という切り口で紹介され、コメンテーターが、「これからますますデザイン価値が大事な時代で・・・」とコメントしています。
しかし噂では、デザイン業界は儲けが少なく、残業も多く、離職率が高いともいいます。就職した人は、自分はブラック企業に入ったんじゃないかと思ったけど、人の話を聞くと、どうやらどこのデザイン会社も同じようなものらしいと途方に暮れるわけです。いったいどっちが本当なんだ!?デザイン業界への就職転職を本気で悩んでいる人には気になるところですよね!
私の意見は、こうです・・・。
●デザインへのニーズはさらに高くなり、求められるレベルも高くなり、守備範囲も広くなる。
●だから、デザイナーという専門職の求められるスキルはさらに上がる。
です。しかし一方で、
●従来のグラフィックデザイナーという専門職は、成立しなくなっていく。
●これまでのようなデザイン事務所では儲からない。
とも考えます。どういうことでしょうか?
もはや、早川良雄さんや田中一光さんをはじめとした、日本のグラフィックデザインの草創期とは違います。
現在の日本人の普段の暮らしは、デザインされたもので満ち溢れています。グラフィックに限らず、プロダクト、建築、ファッションなど、身の回りすべてのデザインが、洗練されていて、工夫されていて、機能的で、快適便利であるように検討されています。それが100点かどうかは別としても、デザインしてモノやサービスを提供するのが、当たり前の時代です。
そうなると、特別に美意識が高いとか、才能にあふれているとかに関係なく、ごく平均的な普通の人(消費者)が求めるデザインのクオリティがすでに高くて当然です。子供の頃から、けっこうデザインされたモノたちに囲まれて育ったわけですから。それでも独自の美意識とこだわり気質を持つ日本人は、現状に満足せず、もっとデザインの優れたものをと求め続けています。そういう意味で、たしかに日本では以前から、「デザイン好き」だと思いますし、これからもそうでしょう。
でも、一昨日の記事でも少し触れましたが、そんなときパソコンがグラフィックデザインの環境を根底から変えたわけです。印刷会社と連携した職人技で、コストのかかる「専門性の高い分野」だったグラフィックデザインは、学生をはじめ、素人が作ることが出来ることに成りつつあります。
企業の中で、これまでグラフィックデザイナーに発注していた仕事も、さほど重要でないなら、「そうだ!絵の得意な社員のAさんに任せれば、社内報とか出来るんじゃない?」、「アドビのイラストレーターとフォトショップがあれば、ハガキくらいすぐ作れるみたいだよ。Bさん、ちょっと社長に頼んでパソコン1台入れるからさぁ、ソフトの使い方、勉強してよ。」と、なってくるのは自然なことです。企業体として、デザインにバカ高いコストはかけたくない、というわけです。
そこへきて、なんでもきっちりきれいにするのが大好きな日本人は、ある意味、国民総デザイナー状態。
何もプロのデザイナーでなくても、社員の中の人材に、「可愛いデザイン自分で作って見たい!」、「え?ボクがデザインしていいなら、やってみます!」という前向きな人も多い。多少、プロの仕事に比べて見劣りするとしても、コストの高さに比べれば、背に腹は代えられないとなります。
まして、紙媒体から、ネット媒体へ大きくシフトしている昨今です。そういうわけで、
世の中の、グラフィックデザイナーへ発注される仕事の総量は減り、ギャラは下がっている。
わけです。そういう意味で、「儲からない」のは事実でしょう。(もちろんこれはあくまで平均的な意味で、儲けている人も入ればそうでない人もいるんですが)
じゃあ、グラフィックデザイナーになるための勉強なんて無意味なんでしょうか!?
続きは次回に・・・。
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●だから、デザイナーという専門職の求められるスキルはさらに上がる。
です。しかし一方で、
●従来のグラフィックデザイナーという専門職は、成立しなくなっていく。
●これまでのようなデザイン事務所では儲からない。
とも考えます。どういうことでしょうか?
もはや、早川良雄さんや田中一光さんをはじめとした、日本のグラフィックデザインの草創期とは違います。
現在の日本人の普段の暮らしは、デザインされたもので満ち溢れています。グラフィックに限らず、プロダクト、建築、ファッションなど、身の回りすべてのデザインが、洗練されていて、工夫されていて、機能的で、快適便利であるように検討されています。それが100点かどうかは別としても、デザインしてモノやサービスを提供するのが、当たり前の時代です。
そうなると、特別に美意識が高いとか、才能にあふれているとかに関係なく、ごく平均的な普通の人(消費者)が求めるデザインのクオリティがすでに高くて当然です。子供の頃から、けっこうデザインされたモノたちに囲まれて育ったわけですから。それでも独自の美意識とこだわり気質を持つ日本人は、現状に満足せず、もっとデザインの優れたものをと求め続けています。そういう意味で、たしかに日本では以前から、「デザイン好き」だと思いますし、これからもそうでしょう。
でも、一昨日の記事でも少し触れましたが、そんなときパソコンがグラフィックデザインの環境を根底から変えたわけです。印刷会社と連携した職人技で、コストのかかる「専門性の高い分野」だったグラフィックデザインは、学生をはじめ、素人が作ることが出来ることに成りつつあります。
企業の中で、これまでグラフィックデザイナーに発注していた仕事も、さほど重要でないなら、「そうだ!絵の得意な社員のAさんに任せれば、社内報とか出来るんじゃない?」、「アドビのイラストレーターとフォトショップがあれば、ハガキくらいすぐ作れるみたいだよ。Bさん、ちょっと社長に頼んでパソコン1台入れるからさぁ、ソフトの使い方、勉強してよ。」と、なってくるのは自然なことです。企業体として、デザインにバカ高いコストはかけたくない、というわけです。
そこへきて、なんでもきっちりきれいにするのが大好きな日本人は、ある意味、国民総デザイナー状態。
何もプロのデザイナーでなくても、社員の中の人材に、「可愛いデザイン自分で作って見たい!」、「え?ボクがデザインしていいなら、やってみます!」という前向きな人も多い。多少、プロの仕事に比べて見劣りするとしても、コストの高さに比べれば、背に腹は代えられないとなります。
まして、紙媒体から、ネット媒体へ大きくシフトしている昨今です。そういうわけで、
世の中の、グラフィックデザイナーへ発注される仕事の総量は減り、ギャラは下がっている。
わけです。そういう意味で、「儲からない」のは事実でしょう。(もちろんこれはあくまで平均的な意味で、儲けている人も入ればそうでない人もいるんですが)
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