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グラフィックデザインの雨音

グラフィックデザイナー志望者&初心者に語りかけるブログ

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【決定版】「デザインってどういう意味?」 デザイン概論②

デザインってどういう意味②

前回、「デザイン概論」の授業を依頼されたデザオは、授業日程の大幅圧縮を提案して、簡潔にした上で授業をやることにした、というお話をしました。そのテーマは、「デザインってどういう意味?」です。

そう、言葉の再定義です。当ブログ冒頭から、コンセプト、モチーフ、タイポグラフィの解説などで語ってきたように、まず第一歩は言葉の意味を調べたうえで、自分で理解しやすいようにシンプルに把握することが大切ですよね。自身の中でシンプルに定義されていると、忘れにくいし、現実の仕事をするときに、応用、対応、発展が柔軟に出来ますから!

たとえば、もしデザイン事務所に就職面接に行ったと思ってください。そこで、「あなたはデザイナーに応募されていますが、デザインってどういう意味かご存知ですか?」と質問されたとしましょう。ぜったい、あわてますよね?(笑)

勉強して自分ではわかっているつもりのことでも、それを人に簡潔に説明できるかどうかは、別次元の問題です。そんな窮地のときも、シンプルに把握していると、あわてず人に説明することができます。それが的確であれば、きっと相手を感心させることでしょう。


【辞書からアプローチ】

まずは、辞書でひいてわかるような基本情報をおさえておきましょう。言葉が抽象的であればあるほど、著名人の”定義”や”たとえ”を持ちだして、感心してわかったつもりになるときもあるけど、実は抽象的な理解だから、いざっていうとき応用できないっていう事態は避けたいものです。

まずウィキペディア。

デザインの語源はデッサン(dessin)と同じく、“計画を記号に表す”という意味のラテン語 designareである。

また、デザインとは具体的な問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現することと解される。

日本では図案・意匠などと訳されて、単に表面を飾り立てることによって美しくみせる行為と解されるような社会的風潮もあったが、最近では語源の意味が広く理解・認識されつつある。

形態に現れないものを対象にその計画、行動指針を探ることも含まれ、就職に関するキャリアデザイン、生活デザイン等がこれにあたる。

デザイン - Wikipedia


ラテン語の designare(デジナーレ)から来ているという話です。授業ではここで生徒に「”てじな~にゃ!”のリズムで”デジナ~レ!”って覚えると忘れなくていいですよねー!」と提案しては、「余計めんどくさくなるからイヤです」と否定されるか、鼻で笑われます。

そして、語源英和辞典によると、

design [意味] 設計する。計画する。

ラテン語 designo(図にする)>de-(完全に)+signo(印をつける)が語源。「印をつけて考えを形にする」がもともとの意味である。designate(指名する)と同じ語源を持つ。


design - 語源英和辞典

ともあります。「設計する。計画する。」の意味を代表にしていますが、絞りこまれたところだけを直訳的に信じると失敗するのが、語学学習者の常識。そのほかにどういう意味の広がりがあるのか、探ってみましょう。ちなみに、この説明に登場する、designo、de、signo、designate の意味を掘り下げたのはこちら。

designo 印をつける、示す。描写する、表現する。図にする、図示する。
de -から派生した、-に関連した、-に似せた、-に由来する、-から生じる、-を題材にした。
signo 印をつける、印を押す。合図する、示す。
designate 指名する、指定する。


どうやら、「signo することから生じたことだ」と言いたげです。ではその肝心の signo をさらにたどると、

signo [ラテン語] signum(印)が語源。seal(封印)と同じ語源を持つ。

とあり、派生語として以下のような言葉が並びます。

design(デザイン)
signify(示す)
assign(割り当てる)
designate(指名する)
resign(放棄する)
sign(署名する)
signature(署名)
signal(合図)
significant(意味のある)


sign (署名、サインする)という語は、英語を含め、ラテン語をルーツに持つ欧米文化では、とても強く重要な意味を持つ言葉であることがわかります。そりゃあ、実体経済的にも宗教的にも、契約社会ですもんね。これらの派生語から共通して読み取れる言葉のイメージは「意思をあきらかにする」です。

de sign

つまり、語源から派生語にいたる系譜からわかることは、この短い単語の中に、「意思をあきらかにして、計画・設計して、図や形として表現する」というプロセスが、意味として封じ込められていることです。まさに seal(封印)されているのですね。

ここまでくると、デザインの意味の本質は、語源英和辞典のデザインの解説のなかで言えば、「設計する。計画する。」のように絞り込むべきではなく、「印をつけて考えを形にする」のほうが近いことがわかります。

まとめるとこんな3ステップのイメージです。

(1) 意思をあきらかにして
(2) 計画・設計して
(3) 図や形として表現する


さぁ、まだ話は続きますが、続きは次回の講釈で!
(はい Holy and Bright ♪)

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| デザインの基本(考え方編) | 00:00 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

デザインについて、
言葉から探っていくと色々なことが見えてくるんですね。

ちゃんとどのようにアプローチすれかよいかまで、
示されているなんて驚きました!

簡単な言葉で意味を理解しておく。

物事は基本から始まっていくと思うので、大切なことですよね〜!

| ohyon | 2018/06/12 11:34 | URL |

ohyonさん、コメントありがとうございます!

そうですね!
カタカナ英語は元来の意味と日本人一般の想像上の意味に違いがあることが多いので、
どちらが正しいとも言いにくいのですが、基本的なこと知っておくと自信が持てますよね!

| デザオ | 2018/06/12 12:46 | URL |















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