グラフィックデザイナーの基本・・・広告制作の流れを知る
今日は、学生さんにとって知りたい基本中の基本である、「広告制作の流れ」について簡潔にご紹介しようと思います!
デザインの仕事を解説した本などを見ると、フローチャートというかロードマップで、ステップごとに膨大な「やることリスト」が書いてあります。たしかに理想はそうなんですが、時間の限られた緊急の仕事も少なくない広告業界で、あまりに真面目なマニュアルのような「広告制作の流れ」は、複雑過ぎてかえって理解を妨げそうです。
確かにグラフィックデザイナーの仕事は多岐にわたります。ペーパーバッグのようなシンプルなものから、商品ラベル、ときには立体的な製品や、店舗デザインに関わることもあります。どんな対象でも通用する「制作のロードマップ完璧版」を作ろうとするのできっと複雑になっていくのでしょう。
そこで、今回はポスター(印刷物)に絞って、ブログならではの、本当に要点だけに絞った内容で、解説を試みたいと思います。「広告制作の流れ」は10ステップです。
広告制作の流れ
①営業・仕事の依頼
まずは営業(仕事を取りに行く努力)という難題があることをお忘れなく。そして、仕事の依頼です。ここでは、ある商業施設のポスターとでもイメージしておきましょう。
②取材・打合せ
たいていは依頼とワンセットの打合せですが、詳しく話を聞き、ギャラやスケジュールなど条件面をはっきりさせ、「やります」「できません」を含めて決定します。
③コンセプトを立てる
表現案の前に、まずはクライアントと広告の狙いについてはっきり合意します。今回はポスターとしていますが、媒体が決まっていない場合は、その広告の狙いに応じて適切な媒体計画を提案することもあります。
④サムネイル(小さく描いたアイデアスケッチ)を描く
広告コンセプトにもとづいて、コピーライターとともに、様々な表現案(コピー案含む)を描きます。デザイナーのアイデアや企画力が問われる段階です。クライアントとの親密度によって、プレゼン用のラフやカンプを見せる前に、この段階で打合せをしていくこともよくあります。予算がありますから、制作可能な範囲で考えます。
⑤ラフ・カンプ制作
実際の広告に近い状態を(可能な限り原寸で)制作します。写真にはダミーの内容が使われます。デザイナーの表現力、レイアウトテクニックや、提案するものの完成度が問われる段階です。
⑥プレゼンテーション
ラフ・カンプでプレゼンテーションします。このとき常識的にはプランを説明する企画書も必要です。よほど人数が多いプレゼンや、重要度の高いものでない限り、立ちプレゼンのようなフォーマルな体裁ではなく、通常の打合せのような地味なプレゼンが多いと思います。
⑦実制作
表現プランが決定しクライアントの了承が得られれば、必要な実制作に移ります。モデルの撮影があれば、フォトグラファー、スタイリスト、ヘアメイク、モデルのブッキング、スケジュール調整が必要です。イラストの必要があれば、イラストレーターと打合せ、発注をしたりします。レイアウトに必要なテキストデータ(文字情報)も、コピーライターを中心に原稿化していきます。
⑧印刷入稿
今回はポスターということですので、印刷会社の営業さんに打合せをした上で完成データを入稿します。
⑨校正
印刷会社にテスト(校正)をあげてもらい、文字校正(文字のチェック)、色校正(色や写真、紙質とのマッチングなどのチェック)をします。校正は大事な最終確認ですから、たいていの場合、クライアントも作業に参画してもらいます。
⑩納品
ポスターが指定されたポスター掲出業者などに納品されます。印刷会社では予備を印刷してクライアントに納品していますので、デザイン会社としても完成品の記録として少し頂戴します。
以上です。
これは印刷物の場合ですが、媒体が変わっても、
打合せ→デザイン提案→実制作→校正→納品
という流れに大きな違いはありません。これを把握していれば、就職後も柔軟に対応していけることでしょう。
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| デザインの基本(実践編) | 12:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑