「関大には、人がいる。」は、何をアピールしているの?
デザオがよくいくヘアサロンで、いつも髪を切ってくださっているスタイリストのOさんが、このブログを覗いてくれたようです。それで、街中の広告について少し世間話をしているときに、
Oさん:あの、関大の広告ご存知ですか?
ときいてこられたのです。
デザオ:ああ、あの、関大には、人がいる。っていうやつでしょ?
Oさん:そうですそうです。あ、やっぱご存知ですね。
デザオ:いえ、ちらっと見かけただけでちゃんと熟読してないんですよ。
Oさん:あれって、どういう意味なんですかね?
デザオ:さぁ?なんかキャッチコピーの右下に小さくボディコピーがあるんですけどね、ちっさすぎてわざわざ近づいて見たことないんですよ(笑)またこんど良く見ておきますよ。
Oさん:意味はわからないけど、目立つのは目立ってますね。それでいいんですかね?
デザオ:目立っていて、Oさんが気になったり、私が覚えてたりするってことは、第一段階のまずおっ!?と思わせるというアテンションの段階はOKなんじゃないですかねー。
Oさん:ですねー。
デザオ:でも、Oさんも私もそのあとのことはわからない・・・(笑)
まさにこのときの会話に、この広告の長所と短所が凝縮されています。長所は、キャッチコピーのタイポグラフィのみに絞り込んだシンプルな広告表現でよく目立つということです。短所は、そのアイキャッチしたあと、ボディコピーなどがあまりに小さくて、誘導して本当に知らせたい「核」となる情報まで誘導できていないことです。
ボディコピーを見てみましょう。
ちょっとピンぼけ(ロバート・キャパ)ですみません。冒頭の画像のキャッチコピーの右下にあるボディコピーの拡大画像です。読んでみると文章は虚飾がなくミニマルで好感が持てますが、多少観念的で具体性に欠けるところは、否めないというのが正直な感想です。
この広告の意図はなんだろうとネットをのぞいてみました。関西大学のプレスリリースページ(←こちら)によると、学生で構成された学生広報チームが学内アンケートなどを踏まえて生み出した新ブランドスローガンとあります。このように、学生が自らの大学のブランド広告を考えて社会に発信するという機会を持てることは幸せなことですよね!
学生さんらしく、目立って興味をそそる広告にしよう!というような気概を感じますし、その狙いについては大成功しています!
でも、やはりアンケートの声を重要視しすぎたのでしょうか。そこからだけの情報では、従来の大学の魅力についての情報は集まりますが、将来への具体的なビジョンに欠けるとも言えます。
つまり、大学の魅力をまとめ過ぎて、「人だ!」とまでしてしまっては、あまりに「一般化」されてしまって、他大学との差別化や独自性のアピールが弱いのです。きっと他の大学も、「うちの魅力は人だ」「うちの主役も人だ」「うちの大学では、昔から人が資本で財産だと教えている」などと言い出しそうですよね。
さきほど、「核」となる情報までの誘導ができていないということを書きましたが、厳密には、そこよりも、「核」となるメッセージが、ふわっとした一般論で、とても弱いということのほうが、スローガンとしてはもっと重要な問題なのです。
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| 雑記 | 23:15 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑
いまさらですが
これは近畿大が「マグロ大学」で日本一の受験者を獲得したことに対するカウンター広告だと思います。
「人」で勝負してます、と言いたかったんじゃないかなーと。
ちょっと弱いですけどね。
| m | 2015/10/05 00:05 | URL |