グラフィックデザインの雨音

グラフィックデザイナー志望者&初心者に語りかけるブログ

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【Q&A】私のアイデアはいつも真面目過ぎて面白くないって言われるんです・・・。

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教え子の中には、社会人でグラフィックデザインの勉強をされている方も多いのですが、中にはすでにデザイナーをされながら通学している方もいます。今日はそんなKさん(女性)の質問です。

【質問】 私は広告のサムネイルを描いて上司に見せるときに、よく「ちょっとカタイなー」「真面目過ぎるなー」「面白みにかけるなー」と言われます。もっと驚くような思い切った案も出すのですが、そう思うと行き過ぎてしまうのか、「うーん、ちょっとこれはないね」と言われ、採用されたり、褒められたりする案にはなりません。どうしたら、面白いアイデアが考えつくんですか?

おっとー!これは高度な質問ですよ~っ!普段の専門学校生の質問と違って、2、3年目とはいえ、すでにデザイナーやっている方の質問ですからね。言う慣れば職場の後輩から相談されているようなもんですよ。

さぁ、何と言ってあげたらいいのかなぁ・・・?

本当は、そのサムネイルを見せてもらって、上司がどれが「ちょっとカタイ」、どれが「これはない」と言ったのか、教えてもらえるとよくわかって具体的なアドバイスも出来るのですが、最近の企業広告案件の守秘義務は非常に厳しくなってきています。特に新商品発売などの情報を、そう簡単に部外者の講師に見せてはいけないのです。

ですから、想像で考えるしかないのですが、幸いにして授業の初期の課題で、彼女の考えた広告のサムネイルがあったはずです。なので、それを再度持って来てもらってあらためて見てみました。ふむふむ、なるほど、笑ってしまいました。私も赤いペンで、「ちょっと真面目過ぎます」と書いているではないですか!(笑)


まぁ、グラ雨読者の方にも想像しやすいように言ってしまうと、その真面目さは、彼女の人柄そのものなんです。生真面目さがそのままサムネイルにも出てる感じなんですよ。何案も考えているのに、その真面目な案が多く、目を引く面白いアイデアがないのです。

「で、その自分なりに思い切ったアイデアはどう言う風に思い切ったのですか?」

彼女が支障ない範囲で説明してくれる思い切ったアイデアの内容をよーく聞いているうちに、なんとなく使えない理由が見えてきました。それは思い切ったアイデアというより、無茶なアイデアでした。

「(笑)そんなの無理に決まってるじゃないですか」
「でも、もっと奇抜なアイデアとか、挑戦的なアイデアを出せって言われるんですよ」
「でもそれは、一見奇抜でも、そのアイデアを加工したら使えるようになるプランを!と言う意味なんでしょ?」

【Kさんの場合】 無茶なアイデア=トーン&マナーを無視したアイデア

言葉で「無茶なアイデア」とか言っても読者には想像しづらいこととは思いますが、要はトーン&マナーをまったく無視した案なんです。トーン&マナーは、以前にグラ雨でも触れました。

簡単に説明すると、

トーン&マナー(Tone and Manner) = 広告表現の雰囲気に一貫性を保つためのスタイルやルール

です。普通、企業は、まるで「人柄」のように、エレガントな広告をする企業、元気で豪快な広告をする企業、優しいタッチの広告をする企業と、一貫したコミュニケーションスタイルを持っています。その企業「らしさ」とも呼ぶべきその一貫性を保つのがトーン&マナーです。

関連記事:トーン&マナーを10回言ってください→NHK朝の連ドラ「ふたりっ子」でデビューした双子のタレントと言えば?→マナカナでしょ?→あれ?

彼女のアイデアは、生真面目案ではそんなことないのに、「思いきろう!」と意識したとたんに、その企業のトーン&マナーから脱線するのです。彼女にとっての思い切りは、トーン&マナーを無視することとイコールになっているのでしょうね。でもそれでは、上司から「これはちょっとないな」と言われても仕方ありません。

そうですね~、変なたとえかもしれませんが、ある歌手に楽曲を提供することを考えてみてください。歌手はその企業で、楽曲は広告やコミュニケーションです。デザイナーは作曲家ということになります。

たとえば、森進一にもっとヒットしそうな新曲を考えなければならない。そんな状況だとしましょう。そのときに、森進一にダンスをさせようとか、着ぐるみを着せようとか、そこまで奇抜なアイデアは、却下されるでしょう。森進一らしさ、森進一の魅力を無視しているからです。そこでは、「松平健もやってるじゃないですか!」は説得力がありません。人を選ぶ企画です。

でも、生真面目な演歌では、今までどおりの売れ方になるだろう。だから、森進一らしい(森進一が出来る)トーン&マナーの中で、でももっと面白い曲を望まれているのです。じゃあ、ダンスまでしなくても、若手ポップス歌手とのデュエットなら出来るんじゃないかとか、バラードなら面白いんじゃないかとか、適度な冒険の範囲というものが想定されます。

Kさんの上司が求めている実現可能なもっと面白いアイデアとは、その範囲で考えてほしいということなのです。


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