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グラフィックデザインの雨音

グラフィックデザイナー志望者&初心者に語りかけるブログ

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自分の完全オリジナルなデザインなんてあり得ない!?

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デザオは新人時代に、上司のK氏が言った言葉が忘れられません。

「この時代に、完全に自分のオリジナルなデザインなんて、あり得ないよ。どこかで見たものが頭のどっかに残ってるから、それを組合せて新しいものを考えてるんだと思うよ」という言葉です。

何だか個性を否定して、過去のデザインの真似をしたり、アレンジしたらいいみたいに聞こえて、「えっ!」と一瞬思いました。しかし、よ~く考えれば考えるほど、悔しいけど確かにそうなのかもしれない、と思ったりします。


確かに、誰しも自分のつくるものが、何かの影響を受けていることを否定できませんよね?「わたしがデザインしました!」と嘘や偽りなく言えても、そのデザインが過去のいろんなデザインを参考にしていることは認めざるを得ないでしょう。

グラフィックデザインの中の流行

たとえば、デザインには流行があります。タイポグラフィにも、色使いにも、写真の取り方、レイアウトにも、イラストのタッチにも流行があります。

学生が好んで描くイラストにも、その年ごとの流行のようなものがあります。ここ2、3年に多いのは、白黒のイラストで、ボールペンや極細ペンだけで描いたような緻密なイラストです。当然、流行りの複数の有名イラストレーターやアーティストの影響を受けているなとピンときます。

でも、たぶん本人はそのイラストレーターのことを知らないのでしょう。どこかの雑誌やネットで見て、わ~!っと思ったことが頭のどこかに残っているのだと推測します。本人も別にパクっているような意識はないけど、似た作品が描けてしまうと、それがどこかで見たことによる安心感も相まって、自分の作品化してしまうということです。

ファッション雑誌で考えるとわかりやすいです。この頃は、こういうヘアスタイルとか、メイクの仕方とか、コーディネート、写真の撮り方がよくされているな、と気づけます。いくつもの雑誌を横断して見る人ほど、共通点が見いだせます。それが今の流行りです。

デザインでも同じで、最初は多少おどろきのある変わったタイポグラフィを使ってあっても、それに似たものがあちこちにあると、自分もそれを使うことで、「いま風だよね」となります。でも、1、2年ほどして、それに飽きていると、たちまち「古く」感じてしまい、使わなくなります。

そういう世の中の「いま風」を取り入れていること自体、自分のオリジナルなデザインとは言えません。

先人たちのデザインの影響

たとえば、尊敬するデザイナーとか、アーティストとかの影響は大きい物があります。別に尊敬するというほどでなくても、テレビや雑誌でたまたま見た個々の作品の影響を、無意識に受けることは自然なことです。

この人のデザインは、◯◯さん風だよね~とか、◯◯のキャンペーンとよく似てるよねーとか、客観的に見る人が気づく場合もあるでしょう。本人はそんなに気づいていなくても、誰かのスタイルを踏襲していることは意外と多いのです。

デザインのミックスが文化になる

しかし、アイデアの影響をそんなに排除する必要はないと思います。もちろん、盗用になってはいけませんが、そういう無意識の影響が多くの人のあいだで起こって、流行やムーブメントのようなものが起こるとも言えるからです。

もっと広い目で見れば、それが日本人らしいデザインとか、日本風の建築とか、日本文化になったりする可能性さえあるのですから。

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