校正記号って、何!?それも、グラフィックデザイナーが知っておく実務的な知識です!
Google「校正記号」で画像検索したところ
前回は、グラフィックデザイナーを目指す人が知っておくべき「校正」の基本的なお話を書きましたが、今回は「校正記号」について書きたいと思いまーす。
すみませんが前回の記事の中から一文を抜粋しますよー。
『元原稿や、前の段階の校正の訂正と見比べながら、間違いがないか確認し、もしあれば赤ペンでその場所に「校正記号」や「修正指示」を記入します。これを「赤入れ」や「朱書き」などと言います。』
この「校正記号」のことですね。
どんな記号かというと、冒頭のGoogle画像検索結果にあるようなものです。デザインや印刷の雑誌でも校正記号についてまとめてくれている場合がありますが、最近ならネット上の情報でも網羅されていますから、金欠の学生さんにはそれで十分だと思います。
Q. グラフィックデザイナーになりたいんですけど、そのためにはこの「校正記号」を覚えないといけないんですか!?
これは校正記号の習熟度が、あなたの就職する職場にとってどれくらい重要かということに関わります。同じグラフィックデザイナーと言っても、もし雑誌編集や書籍に関わるような職場なら、「校正記号」はとてもシリアスな意味を持ちます。
しかし、正直言うと、そういう出版系ではない広告やデザインなら、たくさんの「校正記号」を覚えていなくても仕事はできます。かくいうデザオも、すべての「校正記号」を覚えているわけではないのです(^_^;)
まして、就職や転職活動のときに「校正記号」を覚えておかないといけないなんてことはありませんから、心配しないでください。
就活ではあくまでポートフォリオのクオリティやソフトをどれくらい扱えるか、コミュニケーション能力があるか、ということが重要です。しかし、そのポートフォリオの中の作品やコンセプトの説明の文章に、誤字脱字が散見されるようではいけませんよー!
話がそれちゃいました。したがって、「校正記号」を覚えておかなくても就活に支障はありません。仕事を初めて、それぞれの職場で必要な分だけ、自然と覚えていけるものです。
しかし、校正のプロセスと校正記号がどういうものか、どういうことをするかを知っていて、それもグラフィックデザイナーのする仕事の一部だと理解しているかどうかは重要です。校正とか、誰かがやってくれるんじゃないの?なんて思ってはいけませんよ。
ところで・・・、専門学校で、少しだけ「校正記号」の話をすると、ときどきある質問で次のようなものがあります。
Q. 「校正記号」を覚えていちいち赤ペンで書き込まなくても、見つけた訂正箇所をその都度パソコンで修正すればいいんじゃないんですか?
これは面白い視点ですねー!でも、気持ちはわかります。
確かに校正記号を覚えたり、書き込んだりして、「集約紙」を作らなくても、「校正刷り」をパソコンの横に置いておいてざっと眺めて、見つけた訂正箇所を随時修正していけば済むように思うかもしれませんね。
しかし、これは以下の2つのポイントで、学生さんらしい、課題制作時の発想です。
1. 課題はひとりで完結するけど、実際の仕事は多くの人が関わっている
まず1つ目は、つまり、授業で与えられた広告などの課題を自分ひとりで制作して、自分ひとりで修正して、自分ひとりで確認(校正)して、という作業プロセスをイメージしての質問です。
でも実際はどうでしょうか。
実際の広告の仕事では、あがってきた校正を、クライアント企業の管理職や担当者の人、デザイン会社側のグラフィックデザイナーやコピーライター、印刷会社の営業さんや工場現場の技術者の人など、多くの人が扱います。
たとえば、クライアント企業の担当者や雑誌の編集者の人が「校正」をして、「文字間違いや修正箇所をこんなにたくさん見つけました」と、デザイナーに渡すときに「集約紙」がないと困りますよね。打合せのときに口頭でいろいろ言われて急いでメモしているようでは、次の間違いの元です。
またデザイナーの仕事は、自分がパソコンで修正をするとは限りません。データの修正を印刷会社やDTPオペレーターに任せて、デザイナーはディレクターとして、大まかな指示だけをする場合も珍しくありません。その時には、デザイナーが「校正記号」を自分で書き、「集約紙」をまとめて引き渡すことになります。
他にも、文字に関する作業はすべてコピーライターの仕事と、線をくっきり引いているタイプの職場では、コピーライターが「校正記号」を記入して「集約紙」を作成し、それをデザイナーに渡すというケースもあります。その時には、デザイナーは「校正記号」を読み解かないといけなくなるわけですね。
このように、実際の仕事は自分ひとりで完結しないので、最低限度の「校正記号」は知っておく必要があるのです。
2. 課題は文字間違いがあっても笑って済ませられるけど、実際の仕事ではぎょえ~なことになる。
2つ目は、文字間違いがあっても、あー、すいませーん!で済む学校の課題と、それでは済まない仕事の緊張感の差です。仕事では「校正」のプロセスを証拠として残しておくという強い責任感が必要です。
「初校」でも「再校」でもミスに気付かなかったのはそちらの責任ですよね?「責了紙」に記載してある「校正記号」を見落としたのはそちらの責任ですよね?「初校」で修正するようにお伝えしたのにそのまま進んだのはデザイナーさんと落ち度ですよね?
万一のトラブルのとき、校正プロセスのどの段階で誰がどうしてミスしたのかを、あとから振り返ってはっきりさせるためにも、「初校の校正集約紙」、「再校の校正集約紙」、「三校/念校の校正集約紙(=責了紙)」を必ずわかりやすく整理し、その媒体で宣伝しているものが世の中に出回る一定期間、保管して備えておきます。
いかがでしょう?
このような理由から、「校正記号」と知ること、それをまとめて記載した「校正集約紙」を作成しておくこと、は間違いのない印刷物を作成する上で必要な手順なのですねー。
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確かに校正記号を覚えたり、書き込んだりして、「集約紙」を作らなくても、「校正刷り」をパソコンの横に置いておいてざっと眺めて、見つけた訂正箇所を随時修正していけば済むように思うかもしれませんね。
しかし、これは以下の2つのポイントで、学生さんらしい、課題制作時の発想です。
1. 課題はひとりで完結するけど、実際の仕事は多くの人が関わっている
まず1つ目は、つまり、授業で与えられた広告などの課題を自分ひとりで制作して、自分ひとりで修正して、自分ひとりで確認(校正)して、という作業プロセスをイメージしての質問です。
でも実際はどうでしょうか。
実際の広告の仕事では、あがってきた校正を、クライアント企業の管理職や担当者の人、デザイン会社側のグラフィックデザイナーやコピーライター、印刷会社の営業さんや工場現場の技術者の人など、多くの人が扱います。
たとえば、クライアント企業の担当者や雑誌の編集者の人が「校正」をして、「文字間違いや修正箇所をこんなにたくさん見つけました」と、デザイナーに渡すときに「集約紙」がないと困りますよね。打合せのときに口頭でいろいろ言われて急いでメモしているようでは、次の間違いの元です。
またデザイナーの仕事は、自分がパソコンで修正をするとは限りません。データの修正を印刷会社やDTPオペレーターに任せて、デザイナーはディレクターとして、大まかな指示だけをする場合も珍しくありません。その時には、デザイナーが「校正記号」を自分で書き、「集約紙」をまとめて引き渡すことになります。
他にも、文字に関する作業はすべてコピーライターの仕事と、線をくっきり引いているタイプの職場では、コピーライターが「校正記号」を記入して「集約紙」を作成し、それをデザイナーに渡すというケースもあります。その時には、デザイナーは「校正記号」を読み解かないといけなくなるわけですね。
このように、実際の仕事は自分ひとりで完結しないので、最低限度の「校正記号」は知っておく必要があるのです。
2. 課題は文字間違いがあっても笑って済ませられるけど、実際の仕事ではぎょえ~なことになる。
2つ目は、文字間違いがあっても、あー、すいませーん!で済む学校の課題と、それでは済まない仕事の緊張感の差です。仕事では「校正」のプロセスを証拠として残しておくという強い責任感が必要です。
「初校」でも「再校」でもミスに気付かなかったのはそちらの責任ですよね?「責了紙」に記載してある「校正記号」を見落としたのはそちらの責任ですよね?「初校」で修正するようにお伝えしたのにそのまま進んだのはデザイナーさんと落ち度ですよね?
万一のトラブルのとき、校正プロセスのどの段階で誰がどうしてミスしたのかを、あとから振り返ってはっきりさせるためにも、「初校の校正集約紙」、「再校の校正集約紙」、「三校/念校の校正集約紙(=責了紙)」を必ずわかりやすく整理し、その媒体で宣伝しているものが世の中に出回る一定期間、保管して備えておきます。
いかがでしょう?
このような理由から、「校正記号」と知ること、それをまとめて記載した「校正集約紙」を作成しておくこと、は間違いのない印刷物を作成する上で必要な手順なのですねー。
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| デザインの基本(実践編) | 23:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑