グラフィックデザインの雨音

グラフィックデザイナー志望者&初心者に語りかけるブログ

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市川海老蔵で、「家を買うのに困っている」設定は共感でけへんわー(^_^;)

飯田グループ1

近頃、大阪の地下街でちょくちょく見かける飯田グループホールディングスの電飾看板です。

今日のこの広告を題材に、グラフィックデザイナーになるための考え方を勉強している読者の皆さんに考えてほしいのは、やはり基本中の基本、広告効果です。広告効果と言っても、数値化できる類の効果ではなく、あくまで広告デザインにおいてのメッセージの説得力のことです。

たとえばこの広告は、キャッチコピーだ、レイアウトだと言う以前に、有名タレントを起用するタイプの広告です。市川海老蔵ですね!

街中で見かける広告のタイプのうち、このようにグラフィックデザインとか洗練度とかまったく気にかけないタレントさえバーン!と出ていれば、あとはどうでもオッケーなタイプの広告、ありますよねー!

有名タレントを起用すると、普通のモデルよりギャラが高いでしょうから、広告にしっかり投資しているという意味で会社の信頼度がUPします。タレントもギャラさえもらえれば何でも出るわけではないので、逆評価されているはずという意味でも会社の信用度が評価されます。

しかし、このタイプの広告を見ると、せっかく有名タレントを使うなら、広告デザインにももっとお金をかけたらいいのに~と思うことも多いわけです。つまり、もっとしっかりしたデザイナーをかませたらいいのにと思うのです。だって、勿体無いじゃないですか!?

ちょっと、分析してみましょう!


キャッチコピーは、「誰もがあたり前に家を買える。そんな社会は、誰がつくる?」です。確かに日本では住宅にかかるお金が高すぎて人生の経済を圧迫していますから、そういう意味では共感ゾーンもありますねー。「誰がつくる?」の部分は、もちろん、それは私たち、飯田グループホールディングスですという暗示ですね。

メインビジュアルは、スーツを着た海老蔵さんが右手で一戸建て住宅ミニチュアを持ってニカっと笑っています。別に悪く言うつもりはないのですが、お世辞にも上手いライティングとは言えませんね。右からの強いライトはいかにもスタジオ撮影ですという感じで、クオリティを感じません。

そのキャッチコピーとメインの写真で掴んだあと、左側に企業ロゴを含めた続きの情報があります。「新築の家を一日100棟」→「一年に36,000棟」→「分譲戸建住宅市場におけるシェア 日本一」となっています。

普通は、キャッチコピーに続くサブキャッチコピーやボディコピーなどで説明する具体的なセールスポイントですが、ここでは矢印でつなぐ三段のフローチャートでシンプルにまとめて見せています。いいアイデアですね。わかりやすいです。

そして、グループのロゴなのでしょう、IGとイニシャルを大きく中央に配置したダイヤモンドのようなマークがあり、そのショルダーコピーのように、「日本一の分譲住宅メーカーの私たちがやります。」と入っています。三段のフローチャートを受けて、「その日本一の私たちが」と続くわけで、流れは明快です。

そしてグループ企業6社の一戸建てイメージと企業ロゴが並んでいます。シンプルでいいですね。そぎ落とした簡素な構成要素です。WEBもほぼ同じ構成で、海老蔵さん出演のTVCMも埋め込みで見れるようになっています。

飯田グループ2
 

問題点は・・・?

タレントありきの広告に、普通の広告のセオリーを持ち込むのも無粋なのかもしれませんが、一応、デザオが独断と偏見でピックアップする問題点を3つご紹介しましょう!

1. なぜ市川海老蔵?

タレントは広告代理店のおすすめにしたがって、「清潔感が・・・」「グレード感が・・・」などとタレントイメージの情報をベースに選びます。この場合、きっと「一流」や「伝統」や「話題性」などがキーワードとなって海老蔵さんが選ばれたのでしょう。

しかし、消費者の目線で見ると、海老蔵が登場して、家を買うのが大変という主旨のキャッチコピーと組み合わせて見せられても全然共感できません。あんたは家を買うお金に困ってないでしょ?っていう白けた目で見てしまいますよね?WEBの方では、「マイホームの夢、一歩前へ。」となっています。これも同じくしらけて聞こえます。

ここはもうちょっと普通の人っぽく見える役者さんが良かったのではないでしょうか?海老蔵ではブランド力がありすぎます。そうか、もしかしたら、ちょっと見下す目線で、君たちは家を買うのも苦労しているだろうけどね!っていう・・・そんなわけないじゃないですかー(^_^;)もちろん、広告制作側は、家を買って幸せなイメージづくりで彼を笑顔にしていることはわかっているんですけどね。

2. キャッチコピーの問いかけが解決されない。

「誰もがあたり前に家を買える。そんな社会は、誰がつくる?」で問いかけて、その答えが「・・・私たちがやります。」と、一応Q&Aの体裁はとっているものの、質問が問うている社会の問題は「家が高い」ということではないですか?それとも公務員や正社員でないとローンが通らないというようなことも何とかしてくれるという意味が込められているのでしょうか??

もし「家が高い」という問題であれば、そのあとの広告メッセージは、「私たち飯田グループの家は、これまでの常識を打ち破る価格で一戸建てを可能にしています」というある種のアキュラホーム的アプローチでないとおかしいのです。いくらたくさん分譲住宅を立てていますと言っても、消費者からすれば、「数を多く作っている」ということが「誰もがあたり前に家を買える社会にする」と、結びつかないのです。

つまり、私たちがその問題、解決します!という明快なメッセージになっていなくて、なんか物量作戦でごまかされたような、ふわっとした感じで終わるのです。

3. メインビジュアルのどうでもいい感がひどい

メインビジュアルとは、広告のメインの写真(海老蔵と住宅のミニチュアモデル)とキャッチコピーでつくるアイキャッチのことです。このメインビジュアルが本当に力が入っていません。

まず海老蔵が笑顔でミニチュアモデルを持っているという状況がよくわかりません。お客様役でしょうか?ミニチュアモデルも豪邸でもなんでもなく本当に白い箱にオレンジの屋根が乗っただけの、のび太の家みたいなミニチュアです。海老蔵がそのミニチュアハウスを持って笑っている・・・なのに、キャッチでは、「誰もがあたり前に家を買える。そんな社会は、誰がつくる?」っていうちょっと深刻な問いかけ、正直わけわからんでしょ?タレントが誰であれ、このキャッチコピーなら、ちょっとやりくりに困ってるような絵作りをしたほうが、コピーと写真がマッチします。

レイアウト的に見ても、あまりよくありません。海老蔵の顔を大きくし過ぎです。キャッチコピー二行を隙間に配置するのが苦しそう!キャッチコピーは縦で二行組なので、最初右上から見始めますが、左の情報は左から右に読まざるを得ない横組みです。目線の動きがスムーズではありませんね。

関連記事:レイアウトのコツ⑤ 文字情報は自然な順番で読めるようにする!

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