ポートフォリオを作ろう!② ポートフォリオのコンセプト?
前回に続いて、ポートフォリオのお話です。前回は、ポートフォリオはとても重要で、応募者のあなたに、デザイナーを志望するに値するスキルやセンスがあるかどうかを証明する唯一の武器でパスポートなんだということでした。
今日は、グラフィックデザイナーとして就職・転職のためのポートフォリオをどのように考えたらいいか、というお話です。というのも、グラフィックデザイナーのポートフォリオはその他の業界にはない特殊性があるからです。それは何かというと、グラフィックデザイナーなら、ポートフォリオ自体もデザインできるよね?という暗黙のプレッシャーがあるのです。
たとえば、ヘアメイクさんのポートフォリオなら、作品撮りした写真をきれいにプリントアウトして、シンプルな市販のクリアファイル(たいてい黒一色が多いですが)のポケットに、挿入したらそれだけで出来上がりです。
しかしグラフィックデザイナーの場合、ポートフォリオ(作品集)に選抜した個々の作品のクオリティはもちろん、それをどのように各ページの中でレイアウトしているか、コンセプトの説明文は内容が適切かつ簡潔か、文字組は美しく組まれているか、ファイリングの方法にオリジナリティがあるか、等々、まるで雑誌かパンフレットのようにエディトリアルデザインが優れているかという視点でもチェックされるのです!(>人<;)こ、これはバーが高い!!
ポートフォリオ自体にデザインコンセプトが要る!?
したがって、ポートフォリオ自体にひとつの作品としてのデザインコンセプトが必要です。もっとも基本的な考え方でいくと、個々の作品を引き立たせるために、ポートフォリオ自体は個性を消し去るほどのシンプルさを徹底するのも、ひとつのコンセプトです。この場合だと、白とか黒が基準になるでしょう。
また、どんなエディトリアルデザインであろうと、ポートフォリオ全体で統一感を持たせるのも基本的な考え方でしょう。たとえば、作品の題やテーマや説明文などを、全ページで同じフォント、ポイント数、行間、行長、字間、に揃えるのはもちろん、キーカラーやアクセントカラーを設定するなどして、統一感を出します。
クリアファイルなどに作品を掲載したプリントを挿入していくというような、シンプル路線以外の路線で、もっと個性を出していくことを狙うといろんな方法があります。
たとえば、形態で個性を出そうとしたもの。箱型にカードがたくさん入ったようなおもちゃ箱感覚のもの、ジャバラ型や変形折りを駆使した複雑なパンフレットのようなものです。奇抜な人材を好む職場なら効きそうです。
ほかにも印刷・製本して本物のカタログっぽく見せるもの。実際に印刷屋やプリントショップに注文して(お金をかけて)印刷・製本してもらうと、見栄えが良くなりますから、相手を少し「おっ」と思わせることができそうです。
ペーパーのポートフォリオの中に、CD-ROMを入れるポケットを作っておいて、パソコンで見られるようなポートフォリオのデータを入れておくという凝ったこともできるでしょう。
凝り過ぎて失敗するな・・・最初はシンプルにクリアファイルで。
しかしいずれにせよ、凝り過ぎは要注意です。学生さんがはじめてポートフォリオを作るときには、まず市販のクリアファイル(A3orB4サイズがベター)に、1枚1枚プリントアウトした作品ページを挿入していく方式で作るようアドバイスします。なぜかというと、ページ構成を変更したり、前後を入れ替えたり、1ページだけ変更したりすることが容易だからです。
これが凝り倒した複雑なものを作っていると、1つの訂正がほかの面にも影響し、やりなおしだ、まただ、と言っているうち、1年たってもポートフォリオが完成しないという状況に陥ります。凝りたい気持ちは重々承知していますが、最初はまず自分の作品を単に整理しながらストックしているだけだと思って、クリアファイルに入れていくだけで十分です。
どうしてA3やB4かというと、いくつか理由があります。まず、できるだけデザイン作品を大きく見せたいからです。やはり迫力はデザインの良さを引き立ててくれます。もしA4だと、作品を大きく見せようとすると、余白もかなり狭くなってしまい、レイアウトに「ゆったり感」がなくなりがちです。
次に、ハガキや名刺、小型印刷物、パッケージなど、多くの作品は可能な限り原寸サイズで見せたいからです。原寸だからこそ、文字の読みやすさやレイアウトの機微が伝わります。またピクトグラムやロゴなどを見せるのにも、ゆったりと見せられて好都合です。
求人を出している企業がもし「A4サイズにしてポートフォリオを送ってください」と言ってきたときでも、A3かB4のポートフォリオならそのまま縮小すれば、たいていそのまま使用できます。しかし、最初からA4で作成していると、いざ大きなサイズに拡大したときに「粗が目立つ」ということが起こります。作品画像の画質が劣化したり、文字がムッとするほど大きく感じられたりしてしまいがちです。
A3とB4の問題ですが、通常のプリンターで出力できる範囲で言えば、マックスA3ではないでしょうか。そのためA3でポートフォリオを作成する人は多いです。
ただし、B4も、A3よりはひと回り小さいけど、それなりにメリットがあるんです。多くのプリンターでは、ローラーで紙送りをするために紙の四辺に「印刷不可エリア」があります。つまり、背景に色があったり、罫などが紙の端までデザインされているような場合、紙の端の部分に数mmの白いエリアができてしまいます。
これを「仕方ない」とそのままポートフォリオに入れてしまっては、見栄えが悪く、採用担当者から「手抜きをする奴」という目で見られることうけあいです。しかし、仕上がりサイズをB4にすれば、その外側にトンボ(トリムマーク)を入れてA3のプリンターで出力し、自分でカットすることで、紙の端までデザイン要素を入れたり、全面に色を敷いたりすることが可能です。
さて、まだポートフォリオの話は続きそう!
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したがって、ポートフォリオ自体にひとつの作品としてのデザインコンセプトが必要です。もっとも基本的な考え方でいくと、個々の作品を引き立たせるために、ポートフォリオ自体は個性を消し去るほどのシンプルさを徹底するのも、ひとつのコンセプトです。この場合だと、白とか黒が基準になるでしょう。
また、どんなエディトリアルデザインであろうと、ポートフォリオ全体で統一感を持たせるのも基本的な考え方でしょう。たとえば、作品の題やテーマや説明文などを、全ページで同じフォント、ポイント数、行間、行長、字間、に揃えるのはもちろん、キーカラーやアクセントカラーを設定するなどして、統一感を出します。
クリアファイルなどに作品を掲載したプリントを挿入していくというような、シンプル路線以外の路線で、もっと個性を出していくことを狙うといろんな方法があります。
たとえば、形態で個性を出そうとしたもの。箱型にカードがたくさん入ったようなおもちゃ箱感覚のもの、ジャバラ型や変形折りを駆使した複雑なパンフレットのようなものです。奇抜な人材を好む職場なら効きそうです。
ほかにも印刷・製本して本物のカタログっぽく見せるもの。実際に印刷屋やプリントショップに注文して(お金をかけて)印刷・製本してもらうと、見栄えが良くなりますから、相手を少し「おっ」と思わせることができそうです。
ペーパーのポートフォリオの中に、CD-ROMを入れるポケットを作っておいて、パソコンで見られるようなポートフォリオのデータを入れておくという凝ったこともできるでしょう。
凝り過ぎて失敗するな・・・最初はシンプルにクリアファイルで。
しかしいずれにせよ、凝り過ぎは要注意です。学生さんがはじめてポートフォリオを作るときには、まず市販のクリアファイル(A3orB4サイズがベター)に、1枚1枚プリントアウトした作品ページを挿入していく方式で作るようアドバイスします。なぜかというと、ページ構成を変更したり、前後を入れ替えたり、1ページだけ変更したりすることが容易だからです。
これが凝り倒した複雑なものを作っていると、1つの訂正がほかの面にも影響し、やりなおしだ、まただ、と言っているうち、1年たってもポートフォリオが完成しないという状況に陥ります。凝りたい気持ちは重々承知していますが、最初はまず自分の作品を単に整理しながらストックしているだけだと思って、クリアファイルに入れていくだけで十分です。
どうしてA3やB4かというと、いくつか理由があります。まず、できるだけデザイン作品を大きく見せたいからです。やはり迫力はデザインの良さを引き立ててくれます。もしA4だと、作品を大きく見せようとすると、余白もかなり狭くなってしまい、レイアウトに「ゆったり感」がなくなりがちです。
次に、ハガキや名刺、小型印刷物、パッケージなど、多くの作品は可能な限り原寸サイズで見せたいからです。原寸だからこそ、文字の読みやすさやレイアウトの機微が伝わります。またピクトグラムやロゴなどを見せるのにも、ゆったりと見せられて好都合です。
求人を出している企業がもし「A4サイズにしてポートフォリオを送ってください」と言ってきたときでも、A3かB4のポートフォリオならそのまま縮小すれば、たいていそのまま使用できます。しかし、最初からA4で作成していると、いざ大きなサイズに拡大したときに「粗が目立つ」ということが起こります。作品画像の画質が劣化したり、文字がムッとするほど大きく感じられたりしてしまいがちです。
A3とB4の問題ですが、通常のプリンターで出力できる範囲で言えば、マックスA3ではないでしょうか。そのためA3でポートフォリオを作成する人は多いです。
ただし、B4も、A3よりはひと回り小さいけど、それなりにメリットがあるんです。多くのプリンターでは、ローラーで紙送りをするために紙の四辺に「印刷不可エリア」があります。つまり、背景に色があったり、罫などが紙の端までデザインされているような場合、紙の端の部分に数mmの白いエリアができてしまいます。
これを「仕方ない」とそのままポートフォリオに入れてしまっては、見栄えが悪く、採用担当者から「手抜きをする奴」という目で見られることうけあいです。しかし、仕上がりサイズをB4にすれば、その外側にトンボ(トリムマーク)を入れてA3のプリンターで出力し、自分でカットすることで、紙の端までデザイン要素を入れたり、全面に色を敷いたりすることが可能です。
さて、まだポートフォリオの話は続きそう!
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| デザインの基本(実践編) | 23:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑