サムネイルの意味と描き方③(底辺の量が質を支えることを考えてみる)
今日も前回に続き、サムネイルの話です。
唐突ですが、ミスコンとかミスターコンとかのコンテストって、その範囲が重要ですよね?ミス◯◯日本代表と、ミス東京都◯◯区◯◯町では、大きな違いがあるはずです。日本一の美人か、町内一の美人かの差です。
まず応募者の数が圧倒的に違います。応募者全員の数を底辺として、勝ち残ってトップに輝くまでを三角形でイメージすると、底辺が大きくなればなるほど、三角形自体が大きくなりトップの位置も高くなります。
100案のサムネイルから厳選したA・B・Cの3案と、10案の中から選んだA・B・Cの3案では、当然ながら前者のほうがよりクオリティが高いのです。厳しい倍率を勝ち残ってきたのですから。
サムネイル100案に意味があるのか?
私が新人のころ、ある担当した仕事を、とても厳しいディレクターHさんに直接指導を受けながら進めるということになったときのことです。同じチームのリーダー格のアートディレクターの先輩Kさんがアドバイスをくれました。「デザオくんね、今回はとにかくサムネイルを100案は描いていけ。」「え?100案ですか!」「そう、とにかく出せるだけのアイデアを全部出して持っていけ。」「わ、わかりました!(汗)」
言われるがまま、B4サイズのクロッキー帳に100案のサムネイルを描きました。最初の10案くらいは遅々として進まない苦しさでしたが、だんだんランナーズ・ハイのような状態になって、100案も描くと乗ってきているので、どうせならクロッキー帳1冊全部描いてやろう!と思い、結局110数案になりました。似た案があると見栄えが良くないので、見返して、そっくりな案があるとそこを消して違う案に描きなおしたり、色鉛筆で少し着色してサムネイルにカラフルさを出したりしました。
そして、Hさんにサムネイルを見せる本番のときです。私は何を言われるかこわごわでしたが、それ以上にこんなにたくさん説明してHさんの時間を取ってしまうことが迷惑にならないのだろうかなどと、心配していました。しかし、Hさんは私の延々と続く説明を最後まで聞いて、その中から8つほどのサムネイルを指摘して、「そこらへんの案でもっと詰めてもういっぺん持ってきて」と指示されたのです。
ひとまず怒鳴られることもなく打合せを終えられたことにほっとしました。打合せのあいだ、職場のみんなが聞かないふりをしつつも背中で私のプレゼンを心配してくれているのを、ヒシヒシと感じていました(笑)その後、Hさんが外出したあと、みんなが「やったなー、デザオくん!あんなに機嫌のいいHさん、珍しいなー!」と声をかけてくれたのです。
Kさんのアドバイスどおり、やる気をカタチで見せることを重視するHさんには、サムネイル100案が効いたのでしょう。
さて、サムネイル100案描くことが意味があるのか?ということですが、新人なら意味があると思います。単なる精神論じゃあありません。つまり、ついつい最初の方に思いつく「これがしたい!」という案に固執してしまいがちな新人時代には、「発想を拡げるトレーニング」としての100案は価値があります。
仕事の内容によっても違いますが、たとえ100案でなくとも、毎仕事、たとえば最低30個はサムネイルを描いてからじゃないと、絞込みにはかからないぞ!などと自分なりの基準をもうけて取り組むといいと思います。
サムネイルを描いているように見えないディレクターについて
アートディレクターがサムネイルの数をそんなに描かず、10個にもみたない落書きのようなサムネイルを描いただけで次のステップへ進むのを見て、新人デザイナーは、「Aさんはあれで済ませてるじゃないか」「本当はあれでいいんじゃない?」と思うようです。
もしそのアートディレクターが経験と力量のあるまっとうなADであるなら、それはサムネイル100案が頭の中でスピーディーに終わっているのです。その中から淘汰したいくつかを実際に紙の上に出して、推敲しているのです。
でも私は思います。きっとそのアートディレクターも若いデザイナー時代はサムネイルをたくさん描いているはずです。だからこそ、描かなくても頭の中でシュミレーションできるようになっているのです。
でも本当は、経験年数が増えようが、立場が上になろうが、「出せるだけ出す」という姿勢で、底辺を拡げるほうが、クオリティの高いものにつながると思います。
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私が新人のころ、ある担当した仕事を、とても厳しいディレクターHさんに直接指導を受けながら進めるということになったときのことです。同じチームのリーダー格のアートディレクターの先輩Kさんがアドバイスをくれました。「デザオくんね、今回はとにかくサムネイルを100案は描いていけ。」「え?100案ですか!」「そう、とにかく出せるだけのアイデアを全部出して持っていけ。」「わ、わかりました!(汗)」
言われるがまま、B4サイズのクロッキー帳に100案のサムネイルを描きました。最初の10案くらいは遅々として進まない苦しさでしたが、だんだんランナーズ・ハイのような状態になって、100案も描くと乗ってきているので、どうせならクロッキー帳1冊全部描いてやろう!と思い、結局110数案になりました。似た案があると見栄えが良くないので、見返して、そっくりな案があるとそこを消して違う案に描きなおしたり、色鉛筆で少し着色してサムネイルにカラフルさを出したりしました。
そして、Hさんにサムネイルを見せる本番のときです。私は何を言われるかこわごわでしたが、それ以上にこんなにたくさん説明してHさんの時間を取ってしまうことが迷惑にならないのだろうかなどと、心配していました。しかし、Hさんは私の延々と続く説明を最後まで聞いて、その中から8つほどのサムネイルを指摘して、「そこらへんの案でもっと詰めてもういっぺん持ってきて」と指示されたのです。
ひとまず怒鳴られることもなく打合せを終えられたことにほっとしました。打合せのあいだ、職場のみんなが聞かないふりをしつつも背中で私のプレゼンを心配してくれているのを、ヒシヒシと感じていました(笑)その後、Hさんが外出したあと、みんなが「やったなー、デザオくん!あんなに機嫌のいいHさん、珍しいなー!」と声をかけてくれたのです。
Kさんのアドバイスどおり、やる気をカタチで見せることを重視するHさんには、サムネイル100案が効いたのでしょう。
さて、サムネイル100案描くことが意味があるのか?ということですが、新人なら意味があると思います。単なる精神論じゃあありません。つまり、ついつい最初の方に思いつく「これがしたい!」という案に固執してしまいがちな新人時代には、「発想を拡げるトレーニング」としての100案は価値があります。
仕事の内容によっても違いますが、たとえ100案でなくとも、毎仕事、たとえば最低30個はサムネイルを描いてからじゃないと、絞込みにはかからないぞ!などと自分なりの基準をもうけて取り組むといいと思います。
サムネイルを描いているように見えないディレクターについて
アートディレクターがサムネイルの数をそんなに描かず、10個にもみたない落書きのようなサムネイルを描いただけで次のステップへ進むのを見て、新人デザイナーは、「Aさんはあれで済ませてるじゃないか」「本当はあれでいいんじゃない?」と思うようです。
もしそのアートディレクターが経験と力量のあるまっとうなADであるなら、それはサムネイル100案が頭の中でスピーディーに終わっているのです。その中から淘汰したいくつかを実際に紙の上に出して、推敲しているのです。
でも私は思います。きっとそのアートディレクターも若いデザイナー時代はサムネイルをたくさん描いているはずです。だからこそ、描かなくても頭の中でシュミレーションできるようになっているのです。
でも本当は、経験年数が増えようが、立場が上になろうが、「出せるだけ出す」という姿勢で、底辺を拡げるほうが、クオリティの高いものにつながると思います。
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| デザインの基本(実践編) | 21:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑