サムネイルの意味と描き方②(ベタ案を乗り越えてコンセプトから脱線しない)
前回に続き、サムネイルのお話です。
学生さんが初めて広告のサムネイルを15案ほど描いたものをチェックすると、面白い傾向があることに気づきます。
たとえば最初のサムネイルは「ベタな案」です。ベタな案とは、いかにも素人さんが最初に思いつきそうな、典型的なアイデアのことです。ちょうど、「平和」とか「環境」のポスターを作るとなると、必ず誰かが上の画像のような両手の上に苗木とか地球とかを持ったビジュアルにしようとします。これが「ベタな案」ですね。
たいてい最初の1~3案くらいのサムネイルがこのパターンにはまります。
そしてここで最初の壁に当たります。最初からこんな風にしたいなーとずっと思っていたものをクロッキー帳にサムネイルとして描いてみると、意外とあっさり終わってしまったのですから、さっそく次のアイデアが出てこなくなります。
そして「何か違う案を!」と考えて追加していきますが、よーく引いた目で見てみると、単に最初に描いた案のレイアウト違いだったり、キャッチコピーの言い方をちょっと変えただけだったり、という似たり寄ったりの案が続きます。
サムネイルを多めに描くことは、普通の案を切り捨てるためにも必要!
でも4、5案じゃなくて、もっとバリエーションを描けと言われますから、さらに違う方法はないかなーと考えて、やっと当初自分でも想像していなかった意外な案が出てきはじめます。ベタな案を乗り越えて、少しオリジナリティが出てくるわけですね。
すると、少し気が楽になって、思い切って違うビジュアル、違うコピー、違う表現方法もあるんじゃないかと、アイデアを転がしていけるようになります。つまり、最初の「ベタな案」への無用なこだわりが取れてきて、サムネイル1つ1つへのプレッシャーが和らぎ、面白いアイデアがどんどん出てくるようになります。
つまり、サムネイルの数を多く描くことは、ベタな案を早めに紙の上に出しきってしまうことで、それはそれとしていったん置いておき、新たに降りてくるアイデアを柔軟に受け入れる準備ができるようになるのです。
コンセプトからの脱線に要注意!
この「少し気が楽になってアイデアを転がしていけるようになる」プロセスで、学生さんがやってしまいがちなミスは、当初設定したコンセプトからどんどん脱線して遠ざかってしまうことです。気が楽になり過ぎてしまって、すべての与件を忘れてしまうのですね。ええ、その気持ちはよくわかります。
たとえば、コンセプトでは「エレガントな表現をする」としていたのに、サムネイルでは、ポップでカジュアルにしたり、ダジャレのキャッチコピーでコミカルなアイデアになってたり、羽根がはえて、どんどん違うほうへ飛んでいってしまうわけです。
もちろん、その結果たまたまいい案が出てきて、その案を肯定するために、逆に「コンセプトを変えよう!」という方向へ行くことも、ないことはないですが、最初のうちは、コンセプトに軸足を置いて発想することに慣れていないために、コンセプトから脱線していることにすら気づかずにやってしまうのです。
でも学生さんは決して馬鹿じゃあありません。ひと言、指摘して、自分でもそうと気づくと、誰でも着実に修正ができるのです。単に、サムネイルというものを描くときの特殊な考え方への「慣れ」の問題なのですね。
サムネイルは、カラオケの選曲みたいなもの!?
サムネイルを描いている学生さんに私がよく言うのは、サムネイルは初対面の人たちと行くカラオケみたいなものです、ということです。1曲目は何を入れようとかなり慎重に考えますよね。でも、何曲もかかって、時間も深夜になると、選曲にあまり悩まなくなり(歌える曲も少なくなり)、「もうアニソンでも、うろ覚えでもいいから、入れちゃえ!」となります。
サムネイルもその深夜の選曲くらい、1つ1つに過剰にとらわれず、リズムよくタッタカ、タッタカ、描くといいのです。誤解を恐れず言えば、「質より量」というくらい割り切って、数を描いてみるといいと思います。
描き始める前は、その労力やかかる時間を思って煩わしいと感じるでしょう。しかし、実は2、3案しかないベタ案のサムネイルをやりたいがために正当化しようと苦労するほうが、結果的には「しんどい」のです。
いつもクリックありがとうございます!
↓FC2ブログランキング、にほんブログ村、人気ランキングに参加しました。
それぞれ1クリックしてくださるとデザオとっても嬉しいですオー!よろしくお願いします!


にほんブログ村

デザイン・アート ブログランキングへ
そして「何か違う案を!」と考えて追加していきますが、よーく引いた目で見てみると、単に最初に描いた案のレイアウト違いだったり、キャッチコピーの言い方をちょっと変えただけだったり、という似たり寄ったりの案が続きます。
サムネイルを多めに描くことは、普通の案を切り捨てるためにも必要!
でも4、5案じゃなくて、もっとバリエーションを描けと言われますから、さらに違う方法はないかなーと考えて、やっと当初自分でも想像していなかった意外な案が出てきはじめます。ベタな案を乗り越えて、少しオリジナリティが出てくるわけですね。
すると、少し気が楽になって、思い切って違うビジュアル、違うコピー、違う表現方法もあるんじゃないかと、アイデアを転がしていけるようになります。つまり、最初の「ベタな案」への無用なこだわりが取れてきて、サムネイル1つ1つへのプレッシャーが和らぎ、面白いアイデアがどんどん出てくるようになります。
つまり、サムネイルの数を多く描くことは、ベタな案を早めに紙の上に出しきってしまうことで、それはそれとしていったん置いておき、新たに降りてくるアイデアを柔軟に受け入れる準備ができるようになるのです。
コンセプトからの脱線に要注意!
この「少し気が楽になってアイデアを転がしていけるようになる」プロセスで、学生さんがやってしまいがちなミスは、当初設定したコンセプトからどんどん脱線して遠ざかってしまうことです。気が楽になり過ぎてしまって、すべての与件を忘れてしまうのですね。ええ、その気持ちはよくわかります。
たとえば、コンセプトでは「エレガントな表現をする」としていたのに、サムネイルでは、ポップでカジュアルにしたり、ダジャレのキャッチコピーでコミカルなアイデアになってたり、羽根がはえて、どんどん違うほうへ飛んでいってしまうわけです。
もちろん、その結果たまたまいい案が出てきて、その案を肯定するために、逆に「コンセプトを変えよう!」という方向へ行くことも、ないことはないですが、最初のうちは、コンセプトに軸足を置いて発想することに慣れていないために、コンセプトから脱線していることにすら気づかずにやってしまうのです。
でも学生さんは決して馬鹿じゃあありません。ひと言、指摘して、自分でもそうと気づくと、誰でも着実に修正ができるのです。単に、サムネイルというものを描くときの特殊な考え方への「慣れ」の問題なのですね。
サムネイルは、カラオケの選曲みたいなもの!?
サムネイルを描いている学生さんに私がよく言うのは、サムネイルは初対面の人たちと行くカラオケみたいなものです、ということです。1曲目は何を入れようとかなり慎重に考えますよね。でも、何曲もかかって、時間も深夜になると、選曲にあまり悩まなくなり(歌える曲も少なくなり)、「もうアニソンでも、うろ覚えでもいいから、入れちゃえ!」となります。
サムネイルもその深夜の選曲くらい、1つ1つに過剰にとらわれず、リズムよくタッタカ、タッタカ、描くといいのです。誤解を恐れず言えば、「質より量」というくらい割り切って、数を描いてみるといいと思います。
描き始める前は、その労力やかかる時間を思って煩わしいと感じるでしょう。しかし、実は2、3案しかないベタ案のサムネイルをやりたいがために正当化しようと苦労するほうが、結果的には「しんどい」のです。
いつもクリックありがとうございます!
↓FC2ブログランキング、にほんブログ村、人気ランキングに参加しました。
それぞれ1クリックしてくださるとデザオとっても嬉しいですオー!よろしくお願いします!


にほんブログ村

デザイン・アート ブログランキングへ
スポンサーサイト
| デザインの基本(実践編) | 23:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑