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グラフィックデザインの雨音

グラフィックデザイナー志望者&初心者に語りかけるブログ

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STAP細胞はありまぁす、じゃなかった・・・、C.Iは外にも内にも効果がありまぁす。

CI外にも内にも-1 

は~い!

C.I(コーポレート・アイデンティティ)とブランディングについては、8月26日から30日までの5回に分けて記事を書きましたよ~。今回は、その続編です!まだ、そのときの記事を読んでないよ~という方は、どうぞ焦らず1つずつでもいいので、こちらから読んでくださることをオススメします!


さて今回は、C.Iの続編ですが、これは同時に、今後に記事として書くつもりの「伝わらなくていいコンセプトもある」という新しいテーマを理解するうえで、序章とも言える大切な予備知識なんです。

これは実は、専門学校の授業でもやってこなかったテーマで、デザオの元教え子の読者の皆さんにとっては、「えっ?それ、どういうこと?」と一瞬戸惑われるかもしれません。なにせ、「コンセプトが伝わるようにデザインしないと意味が無い」という基本をずっと語っていますから。

それは今後のお楽しみにとっておくとして、今回は、C.Iのおはなしです~。


C.Iははじめ「会社のイメージを良くしましょう」だった!

実際の理屈やテクニカルな話を棚に上げて、学生さんのために話をシンプルにしましょう!

ざっくり言いますと、C.Iの考え方がアメリカから日本に来て、流行りだした最初のころは、企業のイメージアップがC.I導入のおもな目的だったと言っていいと思います。

社名を「デザオ電機工業株式会社」と、板に炭で描いた看板を玄関に掲げているより、「デザテック(Dezatech)」などと横文字に変更してデザイナーにロゴデザインをお願いし、会社のアプリケーション(名刺、レターヘッド、封筒、紙袋、パンフレットetc....)をそれにそろえていく。

それにより、消費者から見た会社のイメージがモダン(現代的)になり、名前もシンプルになったことで覚えやすくなり、おやじの町工場のイメージが、一部上場企業のようなイメージに変わり、売上が伸びていく。

そのような古典的とも言える、「おらが会社のイメージを大改変するべ」というモチベーションと、それを支える高度経済成長の資本力とバイタリティで、C.I(なかでも特にV.Iや企業ロゴの部分)は、どんどん推進されたのです。

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C.I活動を進めていくと、外側にも内側にも効果がある?

その宣伝効果に期待する部分を、「C.Iの外側への効果」としましょう。整理すると下記のようになります。

「C.Iの外側への効果」
● どんな企業に見られたいか←消費者からの客観的視点を考える
● どうしたら消費者に選んでもらえるか←売場での選択行為のためにどうしたらいいか考える
● どうしたら消費者の心の中に良いイメージを蓄積できるか←トーン&マナーなど継続的効果を考える

これはこれで一定の効果をあげました。しかし、1980年代後半から90年代初めにかけて、バブル崩壊前後の時期から「C.Iの内側への効果」にも注目が集まるようになりました。それは整理すると下記のようになります。

「C.Iの内側への効果」
どうしたら従業員が誇り・やりがいをもって働けるか←従業員の愛社精神や充実感を考える
どうしたら従業員が安心して働けるか←会社への信頼、不安を取り除く方策を考える

つまり、社内向けの効果ですね!

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山瀬まみが登場する住友金属のCM「やわらか頭しています」

89年から90年にかけて、ちょっとした流行語にもなった「やわらか頭しています」というキャッチコピーのTVCMがありました。住友金属工業のCMです。タレントの山瀬まみが出演して、理屈っぽいことは何もない遊んでいるかのような設定で、最後に「やわらか頭しています」→「住友金属!」というだけのCMです。



エンドユーザーとの関わりが薄いように思われる素材メーカーが、TVCMをはじめとしたマス広告を展開することは、珍しいことでした。なぜならエンドユーザーが小売店で買うようなものを売ってないからです。



にも関わらず、このキャンペーンは社内で良い効果があったと言われています。「ああ、あのテレビコマーシャルの!?」と、男性社員はコンパでモテるようになり、営業活動はスムーズになり、新卒学生の人気が上がったのです。



これを「堅い企業がソフトなイメージにしたかっただけで、こんなCMだけでダマされるほど消費者や新卒学生は甘くない」とする批評も聞いたことがありますが、それはあまりに表層的な意見だと思います。

それは、「C.Iの内側への効果」を狙って制作された野心的なCMで、実際に効果を上げた、と見ることも出来るのです。

※①C.Iの効果に、上記にあげたような社外向けと社内向けの効果があること、②住友金属のこのCMがあげた効果については、それぞれ別個のどこかの書物かネットで述べられていた情報ですが、どこに掲載されていたものか見つけられませんでした。デザオのオリジナル分析ではないことをお断りしておきます。

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| デザインの基本(実践編) | 03:03 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

CIは、とにかく金がかかるという印象ですね。提案側がコストダウンを考えて、中小企業にも幅広く導入できればいいのですが。数をこなすことによって利益を得るほうが、先々のメリットが多いように思います。

| なかお | 2014/12/21 09:56 | URL | ≫ EDIT

なかおさん、コメントありがとうございます!

バブル期のC.Iはデザイン会社にとっても「儲かる提案」だったでしょう。しかし現在、本当にC.I的な活動が必要なのは、なかおさんのおっしゃるとおり中小企業です。私も独自に中小企業向けの低コストのC.I活動を提案することがあるんですよ(笑)

| デザオ | 2014/12/22 18:11 | URL |















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