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グラフィックデザインの雨音

グラフィックデザイナー志望者&初心者に語りかけるブログ

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同窓会に行ってみると・・・みんな意外とデザインやってる!

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今日は少し横道にそれた話題です。高校時代の同窓会があったんですよ!

卒業後、20年以上たっているので、みんなの人生はどうなっているんだろうと思いながら出かけましたが、結果的には、ほとんど全員といってもいいくらい、皆がこの厳しいデザイン業界にいることがわかってとても嬉しくなりました。

みんなデザイン業界にいる!?そうです。というのも、私の母校は大阪市阿倍野区文の里にある、大阪市立工芸高等学校の図案科というところ。デザインの勉強をする学科です。


図案とは昔の言い方のデザインのことで、現に私の少し後の学年からはデザイン科と呼称が変更になりました。公立高校では珍しく美術系専門の高等学校で、私が在学当時は、図案科、建築科、美術科、写真科、木材工芸科、金属工芸科、に分かれていました。一般教科は少なく、多くの時間が美術デザイン系の授業にあてられます。

初日の授業で先生が、「卒業後、芸大に進学しようと思っている人はそんな必要ないぞ。芸大でやることは、この3年間で全部やるからな。」と話すのを聞いて感動したのを覚えています。現に卒業後、芸大に進学した先輩は、だいたい工芸高校でやったことと同じだから面白くないと言ったりしたものです。

私は同窓会に行くとき、卒業後の不景気やデザイン業界の変化の激しさから、デザインに関わる仕事から転職していったクラスメートもいっぱいいるかもなーと予想していました。しかし、実際、懐かしい顔を合わせて話を聞いてみると、意外なほどに、デザイン業界にいたのです。

もちろん、立場はいろいろです。デザイン会社、デザイン事務所に勤務して幹部クラスになっている奴。組織から独立し、フリーとしてやってる奴。(積極的な独立から、会社が倒産して仕方なくというものまで理由もいろいろです)、いろんな企業で宣伝業務を担当している奴。家具職人に転向した奴。カタチは違えど、みんなデザインやものづくりに関わる仕事をずっと頑張っていたのです。

つい孤独になりがちなフリーの仕事をしていても、こうして昔の仲間に出会って、なんだかんだと言いながらも、デザインやってるのを知ると、「ああ、この世界で頑張ってるのは俺だけじゃあないんだなー」などと勇気づけられてしまいました。

アナログで作成するグラフィックデザインの学習は、無駄になったのか?

今、振り返ると、卒業時の私たちは技術的な意味ではほとんど何もできませんでした。仕事は就職してから覚えればいいのであって、学校で学んだ知識面のことは、ほんとうに美術の基礎知識(美術史やデザイン史)だけです。それ以外は多様な作品制作に精を出していました。写真を絡めた表現、デッサン、プロダクトデザイン、テキスタイルデザイン、と少しづつかじりながら幅広く作品を制作しました。

コンピュータの名前がついた授業もわずかながらありましたが、パソコンも普及していない時代で、マウスもありません。丸一つ描くのに、現在のHTMLのように、circleと入力して、XとYの数値で位置を決めてといった具合です(笑)現在のパソコン環境から考えると、時間を返せ!と言いたくなりますが、それはそれでもはや笑い話になるとあきらめています。

今も保管しているわずかしかない高校時代の自分の作品を見ると、技術的な面よりも、「手仕事の基本」を学んでいたような気がします。

たとえば冒頭の画像。大変お恥ずかしいのですが、これは私が入学後すぐ(高1)の課題でつくった作品です。30cm角の正方形の画面の中に、ドットで色彩構成するという課題です。2色使うという条件で、自分で決めた色チップに合わせてポスターカラーを混ぜて同じ色をつくり着色します。

今、就職活動のために、よりリアルな商業デザイン作品を求められる学生さんから見ると、こんな作品が何の役に立つのかと思うでしょう。そう問われたら、確かに大して役にはたっていません。しかし、こういう作品をいくつも作るうちに、「手仕事の基本」を習得していたんだなと気付かされます。

「手仕事の基本」

・丁寧に作品をつくること・・・烏口(キレイに線を引く道具)で慎重にやらないと、ポスターカラーがすぐにこぼれたり、手でこすったりして、作品が汚れてしまうものでした(x_x;)

・徹夜してでも締切期限を守ること・・・期限を過ぎると大きく減点されたり、追加課題を課せられたりします
(x_x;) プロの仕事と想定したなら当然です。

・誰よりもいい作品を目指すこと・・・先輩の作品よりも、クラスメートの作品よりも、いいものにしようと思います。同じ条件で作成していても、勝てるアイデアやクオリティを追求するようになります。←ここでやる気や工夫や努力や才能が大きく影響します。


高校時代は、こういった、当たり前の「こころがけ」を学んでいたのでしょう。

確かに、休み時間はいつも友人たちと、「あの課題の締切は明日だよな?」「あの課題のチェックは今日だよな?」などと、常に同時に進んでいる作品の提出期限を確認したりしていました。

卒業するときには、「ああ、これで作品制作に追われる寝不足の日々から逃れられるんだー!」と開放感にひたったのをよく覚えています。しかし、就職後、それ以上の過酷な日々が始まるとはあまり想像していなかったわけなのですが・・・(笑)

まとめ

そういうわけで、一見、実際の仕事に関係なく見える高校時代のアナログ作品でも、実は、私は決して無駄だったとは思っていません。

現代でも、使う道具にMACが加わっただけで、グラフィックデザインの「手仕事の基本」は何も変わらないと信じています。だからこそ、デザイナー志望の方には、MACの使い方だけでなく、グラフィックデザインや広告そのものの勉強をしたほうがいいですよ!とお伝えしたいのです。

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