グラフィックデザインの雨音

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【悲報】 驚きの退職理由は「デザインの説明能力がない」!?

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あるアートディレクターKさんと話をしたときに、彼のデザイン会社で先日ひとりの若者が困ったちゃんで、結局辞めたという話を聞きました。

デザインセンスやソフトを扱うスキルは特に問題はなかったそうです。ではなぜ、そんな事態になったのかというと、彼には「デザインを説明するスキルがない」のだそうです。私はKさんの説明にある「スキル」という言葉にとても共感したのですが、デザインを説明するということをKさんは「スキル」と呼んだのです。

「それは世に言うコミュニケーション障害っていうことですか?」

「いや、そういうわけじゃあないんだよ。会話は普通にできる。それは問題ないんだけどね、自分で作ったものを上手く説明できないんだ。もしかしたら、スキルがなかったんじゃなくって、どうしてデザインを人に説明する必要があるのか、彼は最後までわからなかったのかもしれないんだけどね・・・」

いったいどういう意味なのでしょう?


そのKさんの会社にいた若いデザイナーさんを仮にF君と呼びましょう。

F君が、デザイン案を上司に見せるときに、「これでどうでしょう?」と言うそうです。上司は当然のように「F君はどうしてこういうデザインにしたんだい?」と問うのですが、F君はたちまち困るようです。

でも私の知る常識からすると、その上司の問いかけはとても優しく、F君を気遣っているくらいのソフトな言い方で、普通は「お前、何がしたいねん!さっぱりわからん!」と言われるものです。

そこを、「どうしてこういうデザインにしたの?」と子供に諭すようにきいているのです。しかし、F君は困ってしまって、「お洒落にしようとがんばりました」とか、「こうしたらカッコいいかなと思いまして」ということしか言えないのです。

典型的な「デザインを説明できない病」

実は、このF君のような例は、本当にもう典型的な「デザインを説明できない病」です。

デザオも10年近くも前から、このような話を見聞きしてきたので、専門学校でもデザインを作成することと同じくらい、そのデザインを説明することやプレゼンの練習を重要視して取り組んできました。でもF君の話を聞いて、やはり世の中には「デザインを説明できない病」の人がいるんだと、あらためて認識しました。

これは実は「グラ雨」でご紹介してきたコンセプトをはじめとしたいくつかの記事の総復習のような話ですよねー!いろんな要素が詰まっています。

F君の説明は、どうして「お洒落にしようとがんばりました」となるのか?コミュニケーション障害でないなら、考えられる原因候補は以下の3つではないでしょうか?

1. 「お洒落にしたい」ではコンセプトとして広すぎることに気づいていない。実際にはもっと具体的なコンセプトを持ってデザインしないと、アイデアのバリエーションも展開できないし、1案が否定されたときに違う案を提示できない。

2. 実はF君も無意識ではわかっていてちゃんとデザインしているけど、「お洒落にしたい」以上に説明するボキャブラリーがない。本当なら、どういう種類のお洒落なのか、より具体的な説明が必要だがそれがわからない。デジタルで未来的なお洒落なのか、ヨーロッパのお城のようなお洒落さなのか、和でレトロなお洒落なのかなど、お洒落にもいろいろある。しかしそのように例をあげて言われないと気づけず、ざっくりまとめてしまう。

3. グラフィックデザイナーをアーティストと勘違いしている。自分は頑張ったからあとの評価は人に任せる、というスタンスです。それはF君がアーティストでそれをプッシュしてくれるギャラリーの人がいればいいですけど、普通のデザイン会社はF君をアーティスト扱いしてくれません。頑張ったからOKと許してもらえるのではないのです。

このいずれかか、これらが重なって原因になっているのでしょう。

古い師匠と弟子の関係なら、「見て覚えろ」「くどくど説明するな、見たらわかる」などと言われて、作ったものに添える説明など不要だという空気感もOKなのかもしれません。

しかし、それは多分に芸術家を育てる空気感、ベストキッドでミヤギさんが醸し出す東洋的指導であって、この平成26年頃の若いグラフィックデザイナーが取れるスタンスではありません。クライアントのところにひとりで出向いて打合せやプレゼンをするときに困るからです。


F君こそ昨日の記事のようなシステムの会社にいけばいいのか

ふと思い返せば、F君はまさに一昨日の記事(↓)でご紹介したようなシステムの会社に勤めていれば、説明を求められるプレッシャーも少しは和らいだのでしょうか?

関連記事:【Q&A】私の会社は営業担当がクライアントとの打合せやプレゼンをします。これってどうなの?

いやいや・・・、一見F君に合っているように見えますが、まだ若いF君にはそれはかえってよくないような気がします。もしかすると、そのほうがストレスは大きくなるかもしれませんね。

クライアントとの間に営業さんをはさんでデザインをするということは、結局、F君が営業さんにデザインの説明をしないといけないことは変わりありません。また、もしF君が営業さんと十分なコミュニケーションが取れない場合は、F君はきっと営業担当のいいなりになってしまい、デザインアイデアを営業担当が考えて、F君はデータ作成をするだけという状態に陥るでしょう。

F君は、本来職場や取引先とのコミュニケーションを避けるべきではありません。F君がすることは、「お洒落なデザインにしました」や「カッコよくしてみました」という言葉よりも、もっと具体的なレベルのコンセプトの設定に慣れることだったのです。

デザオの想像ですが、F君はコンセプトやデザインの説明を難しく考えすぎたのでしょう。「◯◯風にしたかった」「◯◯チックになるようにした」などと単純な説明でもいいのです。もうちょっと具体的な根拠を説明するだけでいいんだ、何だそんなことか、という単純な「気づき」さえあれば、そんなに苦労することもなかっただろうにと思うと残念です・・・。

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| 広告とデザイン業界 | 03:00 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

デザインの評価の仕方がわからなかっただけでは
デザインの評価に必要なのはデザインの評価スキルというのはあまりにも曖昧で、そうではなく本当に必要なのは「評価するためのフレームワーク」であり、それを教えてないとどうにもならないのでは無いかという感想。
周りの人間がダメすぎる。

| | 2017/01/09 14:20 | URL |

コメント、ありがとうございました!

なるほど、Kさんの会社の、「デザインを評価するためのフレームワーク」が曖昧なので、
新人デザイナーF君も困ってしまった、ということでしょうか?

よりロジカルでシステマティックなデザイン制作を目指す会社なら、
そのような理想的なフレームワークを構築できるかもしれませんね!

| デザオ | 2017/01/10 13:52 | URL |















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