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グラフィックデザインの雨音

グラフィックデザイナー志望者&初心者に語りかけるブログ

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女性誌の車内吊り広告を見るときの楽しみ→トレンドでなくて、ネーミング(^o^)→NIKITAで学ぶインパクトのあるネーミング!?

ちょい可愛レディ

雑誌WITHの車内吊り広告です。きっと皆さんも通勤途中によく見ますよね―。女性であれば、自分が雑誌のターゲット層であろうとなかろうと、どんな事が記事になっているのか、ざっと目を通してしまうんじゃないですか?

ついつい私もこういう女性ファッション誌の広告を楽しく読んでしまうんですよねー。え?デザオさん男性でしょって?そーですよ。何か問題でもございまして?別に私がゲイナーだってわけではありませんよ!←何でゲイナーやねん(笑)

それは流行にどんなネーミングをつけてるかなぁ~という楽しみです。このWITHの特集記事の見出しで使われているのが「ちょい可愛レディ」です。この手のやつです(^o^)

ファッションの流行や、読者の気持ちを上手く組み合わせて、そうそう!そんな感じ!という絶妙なネーミングを考えるのはさぞかし大変だろうなといつも見てて思います。

考えてみると、「きれいカワイイ→キレカワイイ」や、「大人カワイイ」、などのざっくりしたネーミングから、「生足」、「森ガール」などの狭いネーミング、「草食系男子」、「めがね女子」、「イケメン」など、本の販促やマーケティング用語として考案されて、世の中に浸透する新しい言葉がいっぱいあります。

その中でもデザオがコピーライティングの授業で必ず話す、ファッション雑誌に絡むネーミングのエピソードをご紹介!


それは、ちょっとリッチな30代の女性のための総合ファッション月刊誌NIKITA(ニキータ)主婦と生活社発行です。2004年9月創刊です。

本来裏方さんのはずの編集の身でありながらメディアにも積極的に出演して有名な岸田一郎氏が編集長です。今はプロデューサーと呼ぶべきですかねー。

ニキータ創刊号 のコピー
 

コムスメに勝つ!


この創刊号見てくださいよ、あきらかに普通のファッション雑誌と路線が違いますよね(笑)このNIKITAで世に出された数々のキャッチーなフレーズの中で、やはり代表作と言えば、「艶女(アデージョ)」でしょう!(^o^;)

ニキータ艶女 のコピー
 

これが艶女(アデージョ)の「おシアワセ」


通勤電車の車内吊りポスターを見上げて、何度プッ・・・と笑いをこらえたか・・・。笑えるファッション雑誌という新しいカテゴリーを切り開いたとも言えますね!←ほかにあんのか?

艶女の「おシアワセ」ですよ?気になって仕方ないじゃないですか。なんだろう?艶女にとってのおシアワセって!

ニキータ艶女2 のコピー
 

艶女(アデージョ)はゆらめきSEXY 艶男(アデオス)もうっかり魅せられて!?そのキモは・・・旬の”揺れ感”利用にアリ

アデオス・・・!?オス?凄いですね~!マジなのか?ジョークなのか?少なくとも外国人モデルの表情は真面目なので、余計にわからなくなります。細かい見出しでも、「華やぎワンピはこの6着!」とか、言葉作りに余念がありません。

ニキータガラージょ
 

「柄美女(ガラージョ)」の作り方 着るだけ一発 即”主役”!ちょいムチバディも目くらまし!


おもしろ過ぎるでしょ・・・。ガラージョも凄いけど、ちょいムチバディって!よくこの少ない文字数に、それだけ気を使って言いにくい体型の話を的確に言いましたね!←褒めてんのかい!(^_^;)

特殊な趣味の雑誌の様相を呈してきましたね。いやー、最高です。笑えます。

こうして市場の話題をさらうインパクトを有したキャッチーなネーミングですが、でも問題は雑誌のターゲット層の女性が、「あの◯◯さんって、艶女よねぇ!」と言われることにステータスを感じるかどうかですよね~。

少なくともデザオが、幅広い年齢層の女性の学生さんに、艶女になりたいか、艶女がカッコイイか、という問いかけをすると、全員がNOと答えます。これは男性誌とは決定的に違う反応じゃないでしょうか。

すべてはここから LEONの「ちょい不良(ワル)オヤジ」

ニキータが艶女(アデージョ)を流行らそうと必死だった頃、ポスターを見ていたデザオは、ああ「ちょいワルオヤジ」「ちょいモテオヤジ」の女性版を狙っているんだなと思うと同時に、果たして同じようなアプローチが女性に通じるものだろうか?と不思議でした。

他ならぬ岸田一郎氏が編集長をつとめ、人気雑誌となったLEON(レオン)2001年9月創刊で使われていた、ちょいワルオヤジなどのネーミングは、ある特定の趣味・年齢・収入をイメージさせる男性を、ぐわっとわしづかみにしてひと言で表現するとても便利な言葉でした。

たちまち世の中で使われ始めたわけですが、2014年現在でも普段使える言葉として通用するんじゃないでしょうか。

ニキータは早い話がレオンの姉妹誌として、同じ編集長のもと、後発で登場したのだから、同じような路線でアプローチをしないと筋が通らないというのもわかるのですが・・・。

多くの男性は「君、ちょいワルオヤジ」だね!と言われても、別に嫌だとか、失礼な!とか思いません。「ワル」という言葉が入っていても、「やんちゃな」とか、「ファッションに気を使っている」、「自分の好きにやっている」いう風にとらえられるので、ある種の「かわいげ」すら感じます。

しかし女性は、「君、艶女(アデージョ)だね!」と言われても、きっとあまり嬉しくないのです・・・。

関西ではお馴染みの京阪電車の「京阪乗るひと、おけいはん」のキャンペーンが始まった当初、たまたま京阪沿線に住んでいて京阪で通勤している同僚の女性が、みんなに「おけいはん」呼ばわりされてうんざりしていたことが思い起こされます(^_^;)

LEON.jpg
 

このように、レオンのほうで、ニキータと同じネーミングをサポートプッシュしていますが、やはり男性誌レオンの表紙では、

ちょい「ヨコシマ」オヤジのモテる艶夜(アデーヤ)

となっていても、可笑しさと共に何となく受け入れられるのです。きっと、ジローラモさんのキャラもあるのでしょう。ところが同じ言葉でも、ニキータの秋のフォーマルウェアの特集で、

艶夜(アデーヤ)の装い

とか言われても、不思議なことに、女性は「ステキ!」とか「カワイイ!」とか、ならないのです。

そのネーミングと関係があるのかないのか、ニキータは創刊からわずか3年ちょっと、2008年3月号で休刊(今もないので実質的な廃刊)となりました。

デザオ一人の中で盛り上がっていたニキータのネーミングが楽しめなくなり、一時代が終わったという感じでさみしかったものの、やっぱり女性には受け入れられなかったんじゃないかなーと勝手に分析していました。

まとめ

新人デザイナーの皆さん、レイアウトばっかりに気を取られていませんか?その商品、そのサービス、その企画に、面白いネーミングをつけることで、デザインがブレイクスルーを起こすんじゃないですか?

そういう手法を、ダサいけどインパクトのあるネーミングで教えてくれたニキータさん、とても勉強になりましたと手を合わせる気持ちです。なむ~。成仏してください。

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