グラフィックデザイナーは絵が上手くないとなれないのか?
「絵が上手くないとグラフィックデザイナーになれないのですか?」という質問をときどき受けます。上手いほうがいいとは思いますが、必須条件ではありません。
たしかに昔は、クライアントにプレゼンするラフに、手書きのラフを使ったり、キャッチコピーの書体のイメージもすべて手描きの絵で伝えたりした時代がありました。その頃は、デザイナーは絵が上手くないと、きっと困ったことでしょう。
でも今は違います。絵が上手くないグラフィックデザイナーもたくさんいますし、宣伝・広告・WEBなどの業務全般で言えば、ほとんどの人が絵が上手い人ではありません。ですから過剰に心配する必要はありません。
しかし絵が上手い人には、そうでもない人に比べて、デザイナーとしてやはり有形無形のメリットがあるのは間違いありません。
私の学校では、学生のうち、最低でも15%くらいは絵を描くことが好きで、その延長上にグラフィックデザイナーを見ています。実は何を隠そう、私デザオがそうでした。
冒頭の画像(左側)は、ソノラマ文庫の「エイリアン魔獣境Ⅱ」菊地秀行さん著のブックカバーです。イラストは天野喜孝さんです。そして右側は中学2年のときに私が文庫本の表紙を見ながら水彩絵の具で描いた絵です。
この頃、私は天野喜孝さんの絵にかなりはまっていて、このように天野さんの絵を真似て何枚も描きました。トレーシングペーパーを使って線を写し取ったりせず、あくまで横に置いて見ただけで描き写すことに、妙なプライドさえ持っていました(笑)
しかし中学3年のある時、イラストを描いて自分オリジナルのレコードジャケットを作ろうとしたときのことです。アルバムタイトルの文字を絵筆で描くのがとてもむずかしい。筆では直線と曲線がキレイに描きわけられないのです。
パソコンのない当時、文字をジャケットに入れる方法がわからない。転写式の文字シールみたいなものも売っていましたが、ほしいタイポグラフィじゃない。文字を上手くレイアウトしないとせっかくのイラストを台無しにしてしまう。その苦労から私はイラストのみではなく、イラストをカッコ良く見せる文字やレイアウトというものに興味を持ち、じょじょにデザインの方に傾いていくことになったわけです。
すみません、自分の思い出話が長くなっちゃいました!
人それぞれ理由が違うでしょうが、絵を描くのが好きな人が、画家ではなく、グラフィックデザイナーという職業に興味を持つのには、将来の自己実現をはかる上で、絵を描くことと共通の自己表現ができるのではないかという期待があるようです。
「絵が描ける」というのも、実はいろんなタイプがあります。デッサン力がある、キャラクターや似顔絵などのデフォルメが上手い、構図を取るのがが上手い、最近ではやはりアニメや漫画のキャラクターのような人物がさらっと描けるということも、絵が描けるタイプのひとつに数えられるでしょう。
そのタイプによって、デザインワークに活きると思います。
デッサン力があるデザイナーなら、アイデアスケッチやレイアウトをさらっと描いて、打合せでイメージが相手に伝えやすいです。サムネイル(小さく描いたアイデアスケッチ)が人に伝わりやすいのはもちろんです。
またその才能は、カメラマンにこのように撮ってほしいと伝える様々な場面でも活きます。ある私の友人も、撮影商品の多い仕事をしていますが、遅れてくる商品をスタジオで見て、その場でクロッキー帳にラフスケッチを描き、カメラマンにつないだりしています。
デフォルメが上手いデザイナーなら、キャラクターを使いたいというときに苦労せず可愛いキャラクターを(デザインの一環として)挿入することができるでしょう。それができないと、出来る人にお願いしたり、イラストレーターに依頼したりすることになります。
構図が取るのが上手いデザイナーなら、きっとレイアウトが上手いでしょう。構図を取るのが上手いということは、ものすごくシンプルな話で言うと、スケッチブックなどサイズが有限の紙の上に、バランスよく描く対象の全景をおさめることをイメージしながら絵が描けるのです。そういう画面全体を引いた視点で眺めながら部分を触れるということは、デザイナーに大きなアドバンテージを与えるでしょう。
また絵の上手い人は、ディテールでどのように丁寧な仕事をすれば、それが全体の出来栄えに影響するかという重要性を、感覚的に知っていると思われます。
したがって結論としては、絵の上手い人は、グラフィックデザイナーに向いていますしアドバンテージがあります。しかし、「絵が上手くないとグラフィックデザイナーになれないのですか?」という問いにはNOとなります。
絵が上手いことが必須条件ではないのです。もっとビジネスやマーケティングの視点で広告を見る人、コピーライティングを文学的な視点で楽しもうとする人、奇抜な企画が大好きな「面白いことやりたい」型の人、いろんな人種がデザイナーにいることで、広告は面白くなっているのですd(^_^o)
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冒頭の画像(左側)は、ソノラマ文庫の「エイリアン魔獣境Ⅱ」菊地秀行さん著のブックカバーです。イラストは天野喜孝さんです。そして右側は中学2年のときに私が文庫本の表紙を見ながら水彩絵の具で描いた絵です。
この頃、私は天野喜孝さんの絵にかなりはまっていて、このように天野さんの絵を真似て何枚も描きました。トレーシングペーパーを使って線を写し取ったりせず、あくまで横に置いて見ただけで描き写すことに、妙なプライドさえ持っていました(笑)
しかし中学3年のある時、イラストを描いて自分オリジナルのレコードジャケットを作ろうとしたときのことです。アルバムタイトルの文字を絵筆で描くのがとてもむずかしい。筆では直線と曲線がキレイに描きわけられないのです。
パソコンのない当時、文字をジャケットに入れる方法がわからない。転写式の文字シールみたいなものも売っていましたが、ほしいタイポグラフィじゃない。文字を上手くレイアウトしないとせっかくのイラストを台無しにしてしまう。その苦労から私はイラストのみではなく、イラストをカッコ良く見せる文字やレイアウトというものに興味を持ち、じょじょにデザインの方に傾いていくことになったわけです。
すみません、自分の思い出話が長くなっちゃいました!
人それぞれ理由が違うでしょうが、絵を描くのが好きな人が、画家ではなく、グラフィックデザイナーという職業に興味を持つのには、将来の自己実現をはかる上で、絵を描くことと共通の自己表現ができるのではないかという期待があるようです。
「絵が描ける」というのも、実はいろんなタイプがあります。デッサン力がある、キャラクターや似顔絵などのデフォルメが上手い、構図を取るのがが上手い、最近ではやはりアニメや漫画のキャラクターのような人物がさらっと描けるということも、絵が描けるタイプのひとつに数えられるでしょう。
そのタイプによって、デザインワークに活きると思います。
デッサン力があるデザイナーなら、アイデアスケッチやレイアウトをさらっと描いて、打合せでイメージが相手に伝えやすいです。サムネイル(小さく描いたアイデアスケッチ)が人に伝わりやすいのはもちろんです。
またその才能は、カメラマンにこのように撮ってほしいと伝える様々な場面でも活きます。ある私の友人も、撮影商品の多い仕事をしていますが、遅れてくる商品をスタジオで見て、その場でクロッキー帳にラフスケッチを描き、カメラマンにつないだりしています。
デフォルメが上手いデザイナーなら、キャラクターを使いたいというときに苦労せず可愛いキャラクターを(デザインの一環として)挿入することができるでしょう。それができないと、出来る人にお願いしたり、イラストレーターに依頼したりすることになります。
構図が取るのが上手いデザイナーなら、きっとレイアウトが上手いでしょう。構図を取るのが上手いということは、ものすごくシンプルな話で言うと、スケッチブックなどサイズが有限の紙の上に、バランスよく描く対象の全景をおさめることをイメージしながら絵が描けるのです。そういう画面全体を引いた視点で眺めながら部分を触れるということは、デザイナーに大きなアドバンテージを与えるでしょう。
また絵の上手い人は、ディテールでどのように丁寧な仕事をすれば、それが全体の出来栄えに影響するかという重要性を、感覚的に知っていると思われます。
したがって結論としては、絵の上手い人は、グラフィックデザイナーに向いていますしアドバンテージがあります。しかし、「絵が上手くないとグラフィックデザイナーになれないのですか?」という問いにはNOとなります。
絵が上手いことが必須条件ではないのです。もっとビジネスやマーケティングの視点で広告を見る人、コピーライティングを文学的な視点で楽しもうとする人、奇抜な企画が大好きな「面白いことやりたい」型の人、いろんな人種がデザイナーにいることで、広告は面白くなっているのですd(^_^o)
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| 広告とデザイン業界 | 23:59 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑
読ませていただきました、コメント残しておきますね笑。またのぞきに来ます(きっと、頻繁に!)
| ikfu | 2014/06/18 00:07 | URL |