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阪急百貨店のショッピングバッグ 今につながるたくさんの松永 真は凄い!

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画像出典:「グラフィック・コスモス  松永 真デザインの世界」展 図録より

昨日に続き、グラフィックデザイナー松永 真(まつなが しん)さんの今に続くデザインをご紹介しま~す!

そう、関西の人には特にお馴染みの、阪急百貨店のショッピングバッグです。へ~、あれもそうなの?そう思う方は多いでしょう。だって、阪急百貨店うめだ本店の大規模リニューアルという節目にもデザイン変更されることなく、今現在も阪急百貨店のショッピングバッグとして採用されていますもんねー。

ショッピングバッグやラッピングペーパーなどは、企業や店舗にとって節目となる出来事のときに、新鮮さを打ち出すためにデザインが新しいものに変更されがちです。しかし、この松永 真さんのデザインによるショッピングバッグは生き残りました。

自然のモチーフを使った優しい印象のデザインは1982年から使われていますが、最初は花柄のみでした。それがどのようにバリエーションが増えていったのでしょうか・・・??


松永 真さんによると、この阪急百貨店のショッピングバッグについて、下のように語られています。

最初の依頼は阪急百貨店梅田本店(大阪)のショッピングバッグと包装紙の国際指名コンペティションだった。私は温かみのある表現をしたかった。百貨店だから、単一のシンボルパターンに決めないで、売場ごとにいろんなパターンを使い、それらが店全体として音響効果のような広がりを見せる、そんな展開をやりたかった。私はそのパターンのために、生命や自然をテーマに、太陽、月、星、花、樹木など様々なモチーフをドローイングした。そのコンセプトで優勝したにもかかわらず、残念ながらそのとき導入されたのは、花柄のパターン一つだけだった。その後有楽町阪急ができ、花柄パターンを嫌った、故西村店長が断りにみえたが、その全貌をご存知なく、最初のコンセプトを説明したところ、思いがけず月と星のパターンがその場で採用された。皮肉な事件ではあったが、うれしい事件でもあり、本来のコンセプトが最小限ながら日の目を見ることになった。

さらに、’89年に阪急が創業60周年を記念して本店・支店全部のショッピングバッグと包装紙を一新することになり、このデザインが全店に展開されることになった。つまり、当初の提案が、支店ごとに違うモチーフを使うという形に変わって実現することになったわけである。各支店がその地域性を生かした「地元に根ざす店」の個性を打ち出すときに、このデザインの特性が生かされた。それぞれのパーソナリティを持ちながらも、どれもが同じ波長を持ち、全店を通してみると、やっぱり阪急ファミリーとわかる展開になったと思う。最終的に全案導入までに7年間という息の長いプレゼンテーションとなった。(「グラフィック・コスモス 松永 真デザインの世界」 図録より)


そのような背景の中、1982年からこれも32年に渡って、阪急百貨店のイメージを形成することに長年貢献してきたデザインなんですねー!どうしてこんなに長く生き残れるのか、古臭くならないのか、そこが不思議であり、私が松永 真さんのデザインで一番魅力に感じるところです。

消費者の人々は、そのドローイングの手描き感やモチーフから、単にふんわりと優しい感じ、やパステルカラーから上品な印象を持つとは思いますが、グラフィックデザイナーを目指す若い学生さんにはぜひ、阪急百貨店のショッピングバッグを見かけたら「あ、松永 真だ!やっぱりまだ生き続けているな~」とチェックしてほしいなと思ったりするのです。

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