【Q&A】 デザインの仕事で、自分のイラストを使うことってあるんですか?
昨日の記事のように、イラストレーターかデザイナーか進路を迷っているというタイプの学生さんと違って、きっぱりとデザイナーを目標に決め、そのための勉強に邁進している学生さんでも、もともとイラストの好きな人からは、このような質問をときどき受けます。
今日はそれにお答えしたいと思います。
デザインの仕事で、自分のイラストを使うこと、たま~に、ありますよ。でも本当にたま~にです。それはグラフィックデザイナーとして仕事をしているときに、自分で考えたアイデアで「自分のイラストを使おう!」ということですよねー。ごく稀ですけど。
デザオの場合は、普通のデザイナーさんと違って、イラストの仕事をするときもあります。しかし、それはデザインの仕事の延長で、依頼される場合が多いです。
「デザオさんって、仕事でイラスト描かないの?」→「描くこともありますよ」→「じゃあ、これやってみない?」とか、デザイン仕事の中で、「ここでイラストあるといいんだけどなぁ」→「私でよければ描きましょうか?」→「え?描けるの?」みたいに、デザインのオプションみたいにやることが多いのです。
四コマ漫画的なものや、少しストーリー漫画的な話が舞い込むときも、デザイナーだからコンセプトに沿った話として描いてくれるだろうという期待があって打診されます。
しかし、グラフィックデザイナーがイラストを使おうと思った時には、まずイラストレーターに描いてもらおう!と普通考えます。基本、自分で描こうとはしないのです。それはなぜでしょう?
もともと絵を描かない
グラフィックデザイナーは絵が上手い人がつく職業とは限りません。絵を描くデザイナーさんはむしろ少数派です。ですから、デザイン表現アイデアのひとつとして、イラストを選択したときには、イコール、イラストレーターの起用を検討するということです。
タッチが限定される
自分でイラストが描けるデザイナーさんが、たまたま自分と趣味が合いそうな仕事を受けたとしても、まだ躊躇するのは、イラストには個人個人のタッチというものがあるからです。はたして自分のイラストのタッチが、このデザインに合うのかどうかを、贔屓目にならないように判断したときに、ちょっと違うなとなるのは確率的に自然なことです。ましてクライアントに「イラストのタッチを変えてほしい」と頼まれれば、やはりイラストレーターに依頼するしか手はなくなります。
時間がかかる
たとえイラストを描くことの出来る、プロのグラフィックデザイナーさんでもやはり締切に追われていますから、予算とスケジュールさえ合えば、自分でイラストを描くことを避けようとします。イラストレーターさんに発注して、そのあいだに他の仕事ができるわけですから。
イヤイヤ描かされる場合もある(笑)
特に「街の情報誌」や「フリーペーパー」のような媒体の編集部の人たちからよく聞く話です。情報の文字組のあいまに写真やイラストをレイアウトして、情報を補完したり、楽しさを演出する必要がある情報誌は、イラストのニーズがたくさん発生します。
イメージカット絵(挿絵)もあるし、街ガイドならイラストの地図もよくありますし、メイクやエステやマッサージの手順をイラストで説明するということもあります。
しかし、こういう媒体では、たくさんイラストのニーズがあってもそのままイラストレーターに仕事が出るかというとそうならずに、内部の編集者兼デザイナーのような立場の人がイラストを描かざるを得なくなるということがよくあるのです。
理由は簡単。お金がないか、時間がないから。
1. 予算がない
よく聞くパターンで「イラストレーターに発注する予算がないからデザイナーがイラストも描かないといけない」というのがあります。
情報誌などの媒体はとてもローコストで制作していることが多いため、イラスト代として支払われるギャラが極端に安いのです。1点5000円にもなればいいほうで、小さなカット絵を10個で1万円とか、悪くするとそれ以上で、バナナの叩き売りのように、まとめていくら!と言われることもあると聞きます。
そうなると、それを発注するデザイナー側にも引け目があるもので、イラストレーターに嫌な顔をされて仕事を頼むなら、しんどくても自分で描いたほうがいいんじゃんないかと思ってしまうわけです。また、上司などから、やり直しの指示が来る可能性がある仕事なら余計に、イラストレーターに発注しにくくなるわけです。
2. 時間がない
企業がデザイナーに何かを依頼するときには、デザインする期間を確保してあげないと、ビジネスマナーに反しますが、同じように、デザイナーからイラストレーターに依頼するときにも、イラストを描く期間を適切に確保してあげないといけません。
しかしドタバタの職場では、イラストレーターを選んで、打合せに呼んで、仕上がってくるのを待つ、という当たり前のプロセスを踏む時間的余裕がないのです。そのために、ただでさえ残業でひーひー言っていても、自分で描いたほうが早いと思ってしまうわけです。
まとめ
学生さんには多少意外かもしれませんが、したがって、デザイナーが自分のイラストを仕事で使うことは稀にありますが、デザイン主体で考えている限り、喜んでやっているわけではない場合が多いのです。自分のイラストを使うチャーンス!などとは思ってなくて「致し方なく」というのが正直なところではないでしょうか。
でも、デザインの仕事と切り離された、イラストレーターの仕事としてちゃんとギャラをもらってするなら話は別です。そしてイラストレーターとしての自己表現欲求が満たされるタイプの仕事なら、楽しんでやれると思いますよ!
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タッチが限定される
自分でイラストが描けるデザイナーさんが、たまたま自分と趣味が合いそうな仕事を受けたとしても、まだ躊躇するのは、イラストには個人個人のタッチというものがあるからです。はたして自分のイラストのタッチが、このデザインに合うのかどうかを、贔屓目にならないように判断したときに、ちょっと違うなとなるのは確率的に自然なことです。ましてクライアントに「イラストのタッチを変えてほしい」と頼まれれば、やはりイラストレーターに依頼するしか手はなくなります。
時間がかかる
たとえイラストを描くことの出来る、プロのグラフィックデザイナーさんでもやはり締切に追われていますから、予算とスケジュールさえ合えば、自分でイラストを描くことを避けようとします。イラストレーターさんに発注して、そのあいだに他の仕事ができるわけですから。
イヤイヤ描かされる場合もある(笑)
特に「街の情報誌」や「フリーペーパー」のような媒体の編集部の人たちからよく聞く話です。情報の文字組のあいまに写真やイラストをレイアウトして、情報を補完したり、楽しさを演出する必要がある情報誌は、イラストのニーズがたくさん発生します。
イメージカット絵(挿絵)もあるし、街ガイドならイラストの地図もよくありますし、メイクやエステやマッサージの手順をイラストで説明するということもあります。
しかし、こういう媒体では、たくさんイラストのニーズがあってもそのままイラストレーターに仕事が出るかというとそうならずに、内部の編集者兼デザイナーのような立場の人がイラストを描かざるを得なくなるということがよくあるのです。
理由は簡単。お金がないか、時間がないから。
1. 予算がない
よく聞くパターンで「イラストレーターに発注する予算がないからデザイナーがイラストも描かないといけない」というのがあります。
情報誌などの媒体はとてもローコストで制作していることが多いため、イラスト代として支払われるギャラが極端に安いのです。1点5000円にもなればいいほうで、小さなカット絵を10個で1万円とか、悪くするとそれ以上で、バナナの叩き売りのように、まとめていくら!と言われることもあると聞きます。
そうなると、それを発注するデザイナー側にも引け目があるもので、イラストレーターに嫌な顔をされて仕事を頼むなら、しんどくても自分で描いたほうがいいんじゃんないかと思ってしまうわけです。また、上司などから、やり直しの指示が来る可能性がある仕事なら余計に、イラストレーターに発注しにくくなるわけです。
2. 時間がない
企業がデザイナーに何かを依頼するときには、デザインする期間を確保してあげないと、ビジネスマナーに反しますが、同じように、デザイナーからイラストレーターに依頼するときにも、イラストを描く期間を適切に確保してあげないといけません。
しかしドタバタの職場では、イラストレーターを選んで、打合せに呼んで、仕上がってくるのを待つ、という当たり前のプロセスを踏む時間的余裕がないのです。そのために、ただでさえ残業でひーひー言っていても、自分で描いたほうが早いと思ってしまうわけです。
まとめ
学生さんには多少意外かもしれませんが、したがって、デザイナーが自分のイラストを仕事で使うことは稀にありますが、デザイン主体で考えている限り、喜んでやっているわけではない場合が多いのです。自分のイラストを使うチャーンス!などとは思ってなくて「致し方なく」というのが正直なところではないでしょうか。
でも、デザインの仕事と切り離された、イラストレーターの仕事としてちゃんとギャラをもらってするなら話は別です。そしてイラストレーターとしての自己表現欲求が満たされるタイプの仕事なら、楽しんでやれると思いますよ!
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