おもろそうで、おもろない。「IKEAのカタログ 2015 もうすぐ登場」の車内吊りワイドポスター
先日、電車内で見かけたIKEAの広告です。車内吊りワイド版です。
通常の車内吊り広告はB3サイズ(幅515✕天地364mm)です。ワイド版はデザオも何度か仕事をしたことがありますが、B3サイズのポスターが横に2枚つながったサイズ+B3が2枚のときなら隙間に相当する遊び部分の長さも加えた幅があるので、見上げた印象より、けっこう長いんです。デスクの上に広げると、えっ!こんなにある?って思うくらい「ワイド」です(笑)
でも、その横長のカタチ故に、それを活かしたデザインのアイデアが考えられるという意味で、デザインしがいのある面白い媒体とも言えるんですねー。
さて、この写真のIKEAの広告ですが、オモローな路線を狙ったのかもしれませんが、そんなにオモローではないのです←いつの時代の表現やねん。。。
というわけで、今日も独断と偏見で、かる~くツッコミ。
ビジュアルでは、日本人ぽい男女モデルがIKEAのカタログをそれぞれ持って、開いて見せています。一見、同じものに見えますが、よく見ると左側ページのコピーが違います。
女性側:これが私の「誰よりも大切な自分とじっくり向き合えそう」な場所。
男性側:これが私の「誰よりも愛する妻とゆっくり向き合えそう」な場所。
となっています。そして、右側の白場部分に、リードコピー以下のコピーが次のようになっています。
あなたの特別な場所は、どのページ? IKEA カタログ2015 まもなく登場! (IKEAロゴ)(IKEAのURL)
アイデアのみのシンプルな広告ですねー。文字情報も必要最低限ですっきりして好感が持てます。外国資本らしいですよね。
しかし、もしデザオがサムネイル段階でこのアイデアを見せられたら、もっと推敲を重ねないとと思います。それは以下のような理由からです。
1. 左右のコピーに違いがあることがわかりにくい。
男性側のコピーに「妻」とあるので、この男女は夫婦なんでしょう。わずかに見える額とヘアスタイルから若い夫婦とわかります。両方のコピーをじっくり読めば、妻は自分ひとりの時間を大切にしたい、でも夫は妻と過ごすことを考えているという違いに気づき、くすっと笑える、というのが、この広告の狙い(ユーモア)かと思うんです。
しかし、それに気づきにくい!ダブルキャッチコピーみたいなものですから、文字数や行数を揃えるのは良いのですが、それぞれがちょっと長いんです。ダブルキャッチコピーのときは、もっと文字数を減らして、ワン・ツー!というくらい、パッパッと両方のコピーを読ませないといけません。
具体的には「これが私の」とか要るでしょうか?パフィーじゃあるまいし(^_^;) 「誰よりも」とか要るでしょうか?もっと減らすべきでしょう。
夫婦の考え方の違いでくすっとさせたいこのアイデアを守るなら、
(妻側):ひとりでくつろげそう!
(夫側):妻とくつろげそう!
でも十分じゃないでしょうか?それくらい短いと、広告を見た人が一瞬で両方の文章を見比べられて「意図」が伝わります。現在のように長いと、読むのがめんどくさくなる上に、呼んでもその違いに気づきにくいと思います。
2. リードコピーとの連携が弱い
仮に、上記の夫婦の思いの差を、見る人に気づかせることに成功したとしましょう。しかしそれでも、次に読むリードコピーが「あなたの特別な場所は、どのページ?」と来るのは、ダブルキャッチコピーからの連携が弱いと言えるでしょう。
一応、「これが私の「誰よりも大切な自分とじっくり向き合えそう」な場所。」と、最後に小さく「場所」としてあるので、連携はしているのですが、もっとも目立っている太字の共通フレーズは「向き合えそう」なだけに、キャッチの流れを受けていることがわからない。
考えればそもそも「向き合えそう」という言葉を共通項にしようとしたところに無理があーるーですよ。だから特に妻のセリフに負担がきてますよね(笑)
仮にダブルキャッチが、さきほどデザオが言った「くつろげそう!」を共通項としてくくってあれば、リードコピーは「あなたのくつろげる場所は、どのページ?」とか「あなたのくつろげる部屋は、どのページ?」と、より自然な言葉で連携できたんじゃないですかね~(^_^;)
キャッチコピーがもし「私の特別な場所は・・・」を強調するような内容なら、リードコピーはそのままでもよいのですが・・・。
3. どっちに向けてカタログを持ってるの?
上記1と2は、コピーの組み立ての話でしたが、今度はビジュアル面です。
やっぱり気になるのが、カタログを見せている向きです。広告を見る人にカタログの寝室の写真を見せるために、こちら向きにカタログを持っていますが、当然ながら不自然です。
夫婦は顔の前の高さで、カタログの表紙側を見ていることになります。もしくは、クイズ番組で回答を視聴者に見せるように、夫婦が、開いたページを意図的にこちらへ向けているかのようです。でも、それがどういう理屈によるものかは全然わかりません(笑)
4. そもそものコンセプトがわかりにくい
1.2.3.とこの広告プランを前提にリ・デザイン的なツッコミを入れてきました。でも本当は、この広告アイデア自体があまりいいとは思えないのです。
だってこれIKEAのカタログ2015が出ますよっていう広告でしょ?カタログを入手してみたい、見てみたいって、思わせるには、やはりある種のカラフルさや部屋や家具のバリエーションを見る楽しさじゃないかと思うんですよ。
「わ~、カタログでもっといろんな写真を参考にして、秋冬だし、自分の部屋をもっとおしゃれにしたいなー!」っていう気持ちを起こさせることが、基本コンセプトだと思うんですよね。もちろん、そうじゃないコンセプトで、WEBへのアクセスを増やすことをコンセプトにするとか、あり得ますよ。
でも、現在のこの広告では、そういう明確なコンセプトが伝わらないのです。オモローでもないし。
最後に・・・
これを作ったデザイン会社の方、本当にごめんなさい。いろんな人知れぬ条件や苦労があったと思うのですが、それを知らぬからこそのツッコミと許してくださーい!
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女性側:これが私の「誰よりも大切な自分とじっくり向き合えそう」な場所。
男性側:これが私の「誰よりも愛する妻とゆっくり向き合えそう」な場所。
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しかし、もしデザオがサムネイル段階でこのアイデアを見せられたら、もっと推敲を重ねないとと思います。それは以下のような理由からです。
1. 左右のコピーに違いがあることがわかりにくい。
男性側のコピーに「妻」とあるので、この男女は夫婦なんでしょう。わずかに見える額とヘアスタイルから若い夫婦とわかります。両方のコピーをじっくり読めば、妻は自分ひとりの時間を大切にしたい、でも夫は妻と過ごすことを考えているという違いに気づき、くすっと笑える、というのが、この広告の狙い(ユーモア)かと思うんです。
しかし、それに気づきにくい!ダブルキャッチコピーみたいなものですから、文字数や行数を揃えるのは良いのですが、それぞれがちょっと長いんです。ダブルキャッチコピーのときは、もっと文字数を減らして、ワン・ツー!というくらい、パッパッと両方のコピーを読ませないといけません。
具体的には「これが私の」とか要るでしょうか?パフィーじゃあるまいし(^_^;) 「誰よりも」とか要るでしょうか?もっと減らすべきでしょう。
夫婦の考え方の違いでくすっとさせたいこのアイデアを守るなら、
(妻側):ひとりでくつろげそう!
(夫側):妻とくつろげそう!
でも十分じゃないでしょうか?それくらい短いと、広告を見た人が一瞬で両方の文章を見比べられて「意図」が伝わります。現在のように長いと、読むのがめんどくさくなる上に、呼んでもその違いに気づきにくいと思います。
2. リードコピーとの連携が弱い
仮に、上記の夫婦の思いの差を、見る人に気づかせることに成功したとしましょう。しかしそれでも、次に読むリードコピーが「あなたの特別な場所は、どのページ?」と来るのは、ダブルキャッチコピーからの連携が弱いと言えるでしょう。
一応、「これが私の「誰よりも大切な自分とじっくり向き合えそう」な場所。」と、最後に小さく「場所」としてあるので、連携はしているのですが、もっとも目立っている太字の共通フレーズは「向き合えそう」なだけに、キャッチの流れを受けていることがわからない。
考えればそもそも「向き合えそう」という言葉を共通項にしようとしたところに無理があーるーですよ。だから特に妻のセリフに負担がきてますよね(笑)
仮にダブルキャッチが、さきほどデザオが言った「くつろげそう!」を共通項としてくくってあれば、リードコピーは「あなたのくつろげる場所は、どのページ?」とか「あなたのくつろげる部屋は、どのページ?」と、より自然な言葉で連携できたんじゃないですかね~(^_^;)
キャッチコピーがもし「私の特別な場所は・・・」を強調するような内容なら、リードコピーはそのままでもよいのですが・・・。
3. どっちに向けてカタログを持ってるの?
上記1と2は、コピーの組み立ての話でしたが、今度はビジュアル面です。
やっぱり気になるのが、カタログを見せている向きです。広告を見る人にカタログの寝室の写真を見せるために、こちら向きにカタログを持っていますが、当然ながら不自然です。
夫婦は顔の前の高さで、カタログの表紙側を見ていることになります。もしくは、クイズ番組で回答を視聴者に見せるように、夫婦が、開いたページを意図的にこちらへ向けているかのようです。でも、それがどういう理屈によるものかは全然わかりません(笑)
4. そもそものコンセプトがわかりにくい
1.2.3.とこの広告プランを前提にリ・デザイン的なツッコミを入れてきました。でも本当は、この広告アイデア自体があまりいいとは思えないのです。
だってこれIKEAのカタログ2015が出ますよっていう広告でしょ?カタログを入手してみたい、見てみたいって、思わせるには、やはりある種のカラフルさや部屋や家具のバリエーションを見る楽しさじゃないかと思うんですよ。
「わ~、カタログでもっといろんな写真を参考にして、秋冬だし、自分の部屋をもっとおしゃれにしたいなー!」っていう気持ちを起こさせることが、基本コンセプトだと思うんですよね。もちろん、そうじゃないコンセプトで、WEBへのアクセスを増やすことをコンセプトにするとか、あり得ますよ。
でも、現在のこの広告では、そういう明確なコンセプトが伝わらないのです。オモローでもないし。
最後に・・・
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