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グラフィックデザインの雨音

グラフィックデザイナー志望者&初心者に語りかけるブログ

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そぎおとすだけがデザインじゃねぇぜ・・・え?そぎおとせって言ってましたよね?


前回の記事(こちら)を呼んだあと、この本の表紙のセリフを読むと、より理解が深くなるという(笑)ピエ・ブックス刊の「プロのデザインルール カタログ編-基礎とケーススタディ」第4弾です。

余談ですが、このシリーズは実際の仕事を紹介してくれる量が多く、いろんなデザインを頭にインプットするには、なかなかクオリティが高いデザイン本です。How toのページもあり充実しています。興味のある方はぜひどうぞ。

さて、表紙は漫画太郎さんの絵に「そぎおとすだけがデザインじゃねぇぜ」の吹き出しです。

前回の記事では「デザオ君、デザインしないで」という言葉に、そぎおとすことを学んだと書いたのですが、今回は逆に、「そぎおとすだけがデザインじゃねぇぜ」と来ましたよ。

「そぎおとさないといいデザインはできない。でもそぎおとすだけじゃあいいデザインはできない。」←???

まるで私立探偵フィリップ・マーロウの名セリフを彷彿とさせますね(笑)

「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格はない。」

え?ちょっと違う?細かいこと言わないの!・・・それでどっちがほんとなの?


もちろん、どっちもほんとです(笑)

そぎおとすことは、新人時代に学ぶべきことなんだろうと思います。ついつい自分の色を出したいという自己表現欲求の高い人ほど、凝り倒してしまう悪癖を断つためにも有効ですし、コンセプトに基いてシンプルなメッセージに絞り込むことを目指すためにも有効です。

その「そぎおとす」ことが、あまりにデザイナーにとって基本的思考であり、必須のノウハウであるが故に、この「そぎおとすだけがデザインじゃねぇぜ」が面白いのだと思います。

しかも、それを語っているのは老犬。長い人生を経て、デザインの苦労を重ねた彼だからこそ言える格言、であるかのように、基本と逆のことを言っているから、いいのですよねー。この老犬に言われると、確かにそうだなと思ってしまうところが怖い!

でもこれはほんと!

デザオの個人的意見ですが、この老犬のアドバイスは本当です。←デザオが老けているということでは断じてないので念のため・・・。そぎ落とすことが身についてくると、逆に飾れなくなって困るものです。

たとえばパーティーの招待状をデザインするとして、背景に1色の色をつけようとしても「なぜ赤なのか」「なぜ青なのか」とつい自問自答してしまい、白い紙の色を活かそうと考えてしまう。

INVITATIONと小さく打ったフォントを招待状の中央にレイアウトしたら、それ以外のものがすべて不要に思えてきて、モチーフ1つ、罫1本入れることに躊躇します。

INVITATIONの文字自体も、シンプルなセリフ(明朝っぽい)系書体かサンセリフ(ゴシックぽい)系書体以外のタイポグラフィにしようと思い、「いやまてよ、私はどうしてそんなフォントを使うんだ?私はなぜ文字に色をつけようとしてるんだ?黒でいいじゃないか」→「過剰なデザインだ」と考えてしまう・・・(笑)

そうなると、ときに「そぎ落とす」ことをし過ぎてしまい、シンプル過ぎる、さみし~招待状になってしまうのです(^_^;)

そうなると、「はて・・・、これじゃあシンプルすぎて支障がありそうだ。何か飾りを付けたり、少しは自分の色を出さないといけないな。」と、新人時代とは逆の方向で悩むのです。

「何か足すなら慎重に足さないと、すぐにうるさくなっちゃう!」と思いながら、何をどう足すのか考えます。

そしてコンセプトに遡るようになるのです。「もともとこの招待状は何が目的で、どうあるべきなんだろう?」

つまり、コンセプトを常に頭の片隅に置きながら、そぎ落とす→落としすぎたものを足す→行き過ぎるとまたそぎ落とす→足すを繰り返して、絶妙なバランスを保てるのが、いいデザイナーさんではないでしょうか。

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