動画は約22分と長いので、建築に興味のある方にはこれ自体面白い動画だと思うのですが、そうでもない読者のかたはぜんぶ見ていただく必要はないですよー。
「有名建築家の手による 最新の欠陥住宅映像」要点をまとめますと、施主が高校時代からの知り合いでもあった早稲田大学のカリスマ教授、入江正之氏に依頼した自宅がとんでもない欠陥住宅になってしまったという内容です。見てみると、これはひどい!と思える建築の内容なのですが、そのなかで、デザオが気になったナレーションの語りが以下の点です。
ナレーション(14:46):同級生の建築士を信頼したのにも関わらず、できたのは問題だらけの家。その理由は、建築士がデザインにこだわり、居住性を軽視したかのような設計をしたこと。そして、施工会社の、プロとは思えぬスキルの低さにあった・・・。そうです、やっぱりここでも、デザインと居住性が別ものとして語られています。当ブログの読者なら重々ご承知のように、人が住むための家の設計を依頼されて、居住性を軽視したら何を重視するんでしょうか?それがデザイン(=見た目?)だとしたら、まるでデザインは悪者みたいです。濡れ衣を着せられたようなものですよ、えーん(TOT)!
以前ご紹介した六本木ヒルズ森タワーの回転ドア事故のときと同様に、建築事故やトラブルのときによく「デザイン」という言葉は汚名を着せられるのです。
参考記事:六本木ヒルズ森タワーの回転ドア事故 安全対策よりデザインを優先した結果が事故を招いた。見た目のカッコ良さしか考えなくて、居住性や機能性、危険性について考えていない、というわけです。
それじゃあ、デザイナーと名の付く職業をしている人は、みんなそんな表層的なところで仕事してるのか!?中身も考えずに作っているのか?そんなはずありません。だから、こういうときのナレーションは、「デザインにこだわって、居住性を軽視した」と言わずに、「見た目のカッコ良さにこだわって、居住性を軽視した」としてほしいんです。
ただ・・・。
ここからは完全にデザオの個人的見解ですが、その「建築士がデザインにこだわり・・・」と語られる設計が、「これかよっ!?」って叫びたくなるくらい時代遅れに感じるのですが。。。コンクリート打ちっぱなしで、はめ殺しの大窓、鉄骨の螺旋階段に華奢な手すり・・・。トレンディドラマの時代ですか?って気もしますが・・・。読者の皆さんの感想はいかがでしょう・・・?(笑)
それと同様に勉強になるポイントがもう1点。施主さんが下のように語っています。



建築士と言ってもいろいろあって、意匠・デザインだけをする建築士と、設備設計をする建築士がいるとは知らなかった、そして早稲田の入江教授は「自分はデザインだけする建築士ですよ」とは言わなかった、と主張しているわけです。これは興味深い指摘です。
これはいろんな角度からつっこむことができます。建築ほどの大仕事をたったひとりでできるのか?そもそもいろんな専門家が分担しているものではないのか?という見方もできますし、だからこそ建築家はそれらをまとめるリーダーとしての責任があるじゃないかという見方もあります。これについては、デザオが昔から感じていた、建築業界と広告業界はなんて似てるんだ!という思いがよぎります。でも、長くなるので、それはまた別記事にしましょう!
閑話休題。。。
デザインを見た目だけのことと語られることは悔しいことではありますが、当面は仕方ありません。これが今の一般常識です。新人デザイナーのかたは打合せの際、のちのトラブルにならないように、デザインという言葉を相手がどのように認識しているか、推し量って使いましょうね!
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