「モチーフの公約数」を見つけると対比表現がおもしろくなる!?
大阪市営地下鉄 扇町駅のホームにあった、大阪市交通局+京阪電車が作っている京都観光に絡めた「宇治・伏見1dayチケット」のポスターです。
ダブルでアイキャッチとなっているのは、宇治の平等院鳳凰堂の鳳凰と、伏見の伏見稲荷大社のお稲荷さんです。鳳凰とお稲荷さんの間には、それぞれの建築物がうっすらとはいっています。構図的にも背景色的にも左右対称にしてバランスが良いですね!
よく見ると、中央に控えめなキャッチコピーが、これもダブルキャッチスタイルで入っています。
「見渡す、こころざし。見守る、まなざし。」
これも、出だしの「見◯◯、」という入り、「・・・ざし。」という締めを共通にして韻を踏むことで、ダブルキャッチのセオリーどおりのリズム感を出しています。入れる以上はこのように韻を踏むべきだと思いますが、多少強引なので、無くても良かったなと思えます。
しかし総じて、上手く作ってあるポスターだとデザオは高く評価しますよ~。広告賞を取りに行くような、無理にエッジを効かせたようなタイプの表現ではなく、リアルな実際のクライアントのニーズに応えるタイプの表現としては、ちょうどいいバランス感覚のあるアイデアだと想います。
この広告のおもしろいところは、「宇治と伏見の1dayチケットという商品の広告」から出発しているはずなのに、それぞれの街の目玉の観光スポットは何か、そこのシンボルは何かと、分解していって、ついにいろんなモチーフがあり得るなか、モチーフの公約数の中でもおそらく最大公約数に近い上位のシンボル(象徴的記号になるもの)が、動物であることに気づいた点です。しかもどちらも本来は対で存在している動物を1体づつ使用しています。
同じレベルで語れる動物が両代表観光名所にいることに気づけば、つまり「モチーフの最大公約数」があることに気づけば、あとはもうレイアウトやコピーなどテクニカルで瑣末な問題です。つまり広告制作プロセスで言えば初期の、サムネイル段階でのアイデア、やはりそこの力が、一番この広告を強くしているところですね!
これはデザオがサムネイルで「編集の力」と呼んでいる、ガイド性、インデックス性に通じるものです。ひとつの切り口で、くくることのできる素材かどうか考えるのです。
たとえば、このチケットが、宇治と伏見だけでなく、四条や出町柳などの街を含んでいたらどうなっていたでしょう?シンボリックな動物が3種類見つからなければ、このプランは水の泡ですよね?共通して存在する動物が3つ同じレベルで揃わないといい広告にはなりません。やはり難度が高いのです
このように、広告の中で並列に扱わなければならない条件があるなら、モチーフの最大公約数を見つけると上手くまとめやすいのですね!
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