それは理想と現実と言えばあっさりしてしまいますが、求人で業務を「イベントのスケジュール管理や施工」と言われるより、「デザイナー」と言ったほうが、若い人の興味を引きやすいということもあるでしょう。
また、実際に広告業務を今後開拓して増やしていこう!そのためにはもっとデザイナーを雇わないと。という将来への対策だったのかもしれません。しかし思ったほど広告業務は増えていないという状態かもしれませんね。
ですから何でもやらないといけないという立場で藤田さんの名刺には「クリエイティブディレクター」とも書いてあるし「デザイナー」とも書いてあるそうです(笑)
ちゃんとしたデザイナーに!しかし、彼女はもともとグラフィックデザイナーになりたいという希望があって、専門学校で勉強しました。どのようなキャリアパスを紡いでいくにせよ、デザイン業界で頑張りたいという気持ちがまだ強くあります。25歳という若さもあり、そう簡単にその夢を妥協したくはないという気持ちもよくわかりますよねー。
つまり、そこそこ面白く、やりがいもあり、人間関係も問題ない会社ではあるけれども、自分自身のちゃんとしたデザイナーになりたいという希望が叶えられそうにないので、困っているのです。
詳しくきくと、彼女はすでに半年ほど前に転職活動をした時期もあったとのこと。デザイン事務所の候補もあったけれども給料が下がることと、内容も少し怪しかったことから、そのときは転職しなかったそうです。
でもそういうアクションを起こすほど、現状に対する問題意識は明白だということですよね。きっと彼女は遠からず同じようなアクションを起こすでしょう。
ポートフォリオが要る!しかし、そのとき藤田さんの課題となるのは、ポートフォリオです。デザイナーを目指す学生さんにとって、ポートフォリオ(作品集)は、自分のデザインスキルやセンスを相手に証明することのできる唯一のツールです。
あまたあるデザイン事務所の中でも、レベルの高い、いい仕事をしているところへ就職したいと願うと、当然ながらレベルの高い充実したポートフォリオを見せる必要があります。
彼女はまだ自分にはそれがないと思っています。もちろん今の会社に就職するときにもポートフォリオは見せたのですが、作品数も少なくもっと増やさないといけない状況です。
どうやって日常でデザインの勉強をしたらいいんですか?その状況で彼女の発した質問です。専門学校に入学した当初の学生さんに対してなら、これまでも「グラ雨」で書いてきたように、もっとまわりのデザインに興味を持って、分析する癖をつけなさいとか、いろいろ言ったでしょう。
しかし彼女はすでに卒業して、その辺の基礎はわかっています。彼女は「たとえばいいと思ったパッケージを選んで、それとまったく同じデータを作ってみるとかはどうでしょう?」とたずねます。私は、「それはあまり効果的な作戦とは言えませんね」と言いました。
確かに良いものを学ぶのは「真似ぶ」というくらいで、真似することは無意味ではありません。しかし効率のよい勉強方法とは思えません。
ポートフォリオ充実作戦との同時進行を考えた時、もっといい方法は、より仕事に近い制約のあるデザイン作品を制作することでしょう。
たとえばコンペに作品を応募するということもコンペの条件を備えた作品づくりです。実際に友人の仕事のデザインを手伝ってみるということもいいでしょう。とにかく自由気ままに作った作品ではなく、ちょっとでもリアルな作品にトライすることです。
ほかにもポートフォリオ充実の手は考えられますが、それはまたポートフォリオを主役にした記事で機会をあらためて書くことにして、作品数とバリエーションを増やす努力が最優先課題だと思います。
藤田さんから後輩へのアドバイス藤田さんに、後輩へ就職・転職のアドバイスを求めると、次のようなことを言ってくれました。
「もっと良ーく考えたほうがいい。自分は少し就職を焦っていたと思う。決まらなかったら『どこでもいいや』という気持ちが強くなってしまう。でも、いったん入るとなかなか次へ進めなくなる。自分のしたいことに覚悟をもって、よくよく考えて後悔しないようにしてほしい。それと、基礎は大事。たとえばイラレとかソフトの操作でも、些細な事を忘れがちになるから。」
だそうです。今の藤田さんの心情がわかるアドバイスですね・・・。参考になれば嬉しいです!
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