グラフィックデザイナーは、マーケッターでもあれ。グラフィックデザインは表現手段のひとつです。それをする人がグラフィックデザイナーかと思いがちです。しかし、グラフィックデザインの仕事に広告や宣伝という業務が含まれることで、デザイナーの把握しなければいけない全体像は圧倒的に拡大します。
デザオの昔の上司は「クリエイターであるだけでなくマーケッターじゃないといけない」と言っていました。(クリエイターという言い方は好きじゃないって以前書きましたけどネ(^_^;)・・・。)マーケッターとはマーケティングを理解して、マーケティング・ミックスを駆使して、ターゲットから狙った反応を引き出す仕事です。つまり、グラフィックデザイナーもマーケッターに負けないくらい視野を広く勉強してデザインをしないといけないと鼓舞してくれているわけです。
デザインをすることが大変というより、そのデザインをするためにどれほどのことを考えているのかが問われているのです。
伊田さんは、まさにそれを身をもって体験中です(笑)
メーカーはモノづくりから消費者に届けるまでの流れをすべてやらないといけません。その中でデザインを軸にあらゆる仕事をしているのです。きっといい勉強になっていることでしょう。
伊田さんのアドバイスデザオは、その伊田さんに、これから就職したり、デザイン関係に転職するつもりの、後輩の雨音読者の皆さんにデザインワークの中のことで、何かアドバイスをくれないかとお願いしてみましたよ。
「私に何かアドバイスができますかね・・・」と言いながら考えてくれたのが以下の3つです。
「モチーフを適当に使わない」モチーフを探したり選んだりそれに説得力をもたせることが大変だそうです。
モチーフとは以前このブログでも3回に渡って書きましたね。(
その最初の記事はこちら)モチーフはデザインに取り入れる具体的な素材のことで、それを取り入れることで何かを伝える「記号」として働きます。
たとえば、お弁当箱のフタのモチーフにタケノコを使ったデザインをしたとしましょう。すると、タケノコをどんな線や色で何個フタの上に並べたかということの前に「なぜタケノコなのか?」が大事になります。
タケノコの美味しい季節(3~5月)の販売を考えているのか?どんな料理のお弁当だとイメージしているのか?なぜ他の食材ではなくタケノコなのか?モチーフとしてタケノコを選ぶ根拠がどこまでもついてまわります。
プレゼンのためではありません。POPに書いたり、facebookで商品を紹介する販売段階の消費者へのアピールのときまで「どうしてタケノコ柄なのか」はついてまわるのです。
「消費者のライフスタイルを勉強する」
伊田さんの話に何度も「ライフスタイル」という言葉が登場して、笑いそうになりました。職場で、よほど、それについて追求されているんでしょうね(笑)
タケノコ柄の弁当箱の例で言えば、それを買う客はどういう人たちなのか、どういう動機でお弁当を買う人なのか、どんな世代・性別で、どういう暮らしをして、どういう趣味で、サイフにはどれくらい余裕のある人なのか。消費者のライフスタイルを想定して商品開発やデザインを行わないと、売れなかったときの検証もできませんものね。
「いいものを見る努力をする」伊田さんは真面目ですから、休みの日も繁華街に足を運び、高級ブランドの小物を見て回ったりしているそうです。目を養うためだそうです。頭が下がりますねー^^;いやいや、ほんと大事なことです。以前ブログでも書きましたが、インプット無しにアウトプットはできないということです。
まとめいかがですか?伊田さんの役職はデザイナーではありません。マーケティング部の一員です。見方を変えたら総合職とも言えるでしょう。しかし伊田さんは「グラフィックデザインの基本を勉強したことは本当に役に立っています!」と何度も力説してくれました。
きっと、そうだろうと思います。だって、本当のグラフィックデザインの勉強は、色やカタチの勉強だけではありません。その色やカタチがどういう理由から、何を狙って、生じてくるのかというバックボーン(背景)を視野に入れて考えることが大切です。
伊田さんは、そういう意味で、本来グラフィックデザイナーがやるべき仕事をしているのです。
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