デ:そんなー、せっかくデザインデータを作ったのに、カットがずれちゃうなんて困るや~ん!外側の白い紙の色が少しはみ出して見えちゃってるやんかいさーo(ToT)o
印:ズレちゃうんだから仕方ないじゃん、1枚1枚断裁してたら途方も無い時間かかっちゃうよ。
デ:え~、じゃあどうしたら、仕上がりサイズでキレイに切ってくれるの?
印:やっぱりキレイに切るのは難しいよ。技術的な限界だよ。じゃあ、こうしたらどうだろう?多少ズレてもいいように、仕上がりサイズより少し広くデザインデータを作っててよー。
デ:少しってどれくらいなん?
印:そうだね~、左右天地にそれぞれ3mmもあったら、まず大丈夫だと思うよ。
デ:3mmかぁ。じゃあ、左右だったら、両側で合計6mm分伸ばしておくんか・・・。ま、しゃあないか。それくらい広めに作ったら、絶対に白い紙のところ見えたりせーへん?
印:ま、もし3mm以上もズレたら印刷側の責任だと認めるということでどうかな?
デ:わかった。じゃあ、1辺につき3mmで合意やね!
印:ところで今気づいたんだけど、デザオくんって、関西のひと?
デ:今?・・・・・。
・・・という会話が昔あったかどうか知りませんが、そういう印刷業界ルールで、トンボによって示される、仕上がりサイズより広めに作っておくエリアが「塗り足し」と呼ばれる3mmのエリアです。
断裁の線まで背景に色を入れるとき、写真を断裁の線までレイアウトしたいとき、この塗り足しのエリアまで、その色や写真を延長していれておくことで、多少断裁がズレてもわからないようになるわけですね。例をあげると、こんな感じでしょうか。(↓)
そして、ピンクの破線で示された断裁の線(私は昔の職場では「断ちのライン」と呼んでいました)をカットしたとしたら、こんな感じで切り抜かれ、塗り足し部分がトンボと共に不要な部分に残されるということになります。(↓)
さぁ、ここでレイアウトをする上で問題が生じます。
この画像(↑)を見てわかるように、データを作成途中には視界に入っていた画像の一部(塗り足し)が、実際には無くなっちゃうわけですから、レイアウトの感覚が変わってしまいます。
ですから、私が学生さんにおすすめしているのは、モニター上でレイアウトを考えているときには、トンボも塗り足しも付けないことです。レイアウトが見た目どおりでわかりやすいことを優先します。それでも、塗り足しがあるので、写真のトリミングに余裕を持っておかないといけませんよ。
そして、校正作業(間違いがないかチェックする工程)も終えて、印刷に渡す入稿用データを作成するときに、トンボ(トリムマーク)を追加し、塗り足し部分を延長して、完成させることです。
さて、昨日と今日の2回にわたって、下のトンボの役割3種類を見てきました。
①仕上がりサイズで断裁(カット)する位置や、中央の位置を示す
②多色刷りのときに各版の位置(見当/ケントー)を合わせる
③塗り足し(断裁ズレを見越した余分の印刷エリア)を示すこれであなたも立派なトンボです。←は!?
三つ折パンフレットの3面は、1面だけ微妙に幅を小さくするトンボと関係ない余談なのですが、参考までにこの件を書いておきますねー。
例として見てきた三つ折パンフレットの特徴として、一番内側にくる面の幅を1~2mm短くしないといけません。そうしないと、3面とも同じ幅だと、内側に来る面がつっかえて、きれいに三つ折にできないのです。
画像の例では、仕上がりサイズの左右が180mmなので、1面の幅が60mmづつだときれいに折れません。ここでは例として、内側にくるA面を58mmに、B面とC面を61mmにしています。これでB面とCと面がきれいに二つに折られ、その内側にちょっと短いA面がすんなり収まるということになります。
うーん、うん。
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