よくこんな人たちがいます。
若い時にデザイナーを必死でやり、独立して社長になって、数人の若手スタッフを雇った。だけど、そのスタッフを養うだけの利益をあげるためには社長が必死に営業をして広告の仕事を取ってこないといけない。
必然的に、社長はデザインをしなくなり、すべてスタッフに任せて、次の仕事を求めて街へ出る。デザインの対価が昔ほどもらえない中で、いい仕事を見つけてスタッフへ振ると、「この忙しいのにそんなのムリですよ~!」と言われたりする。
「何を言ってるんだ!君たちのお給料をきちんと払っていくために、必死で仕事を取ってきてるんじゃないか。」「そんなに都合よい仕事を選んでられるか!」と、社長は思う。年齢的にも営業はきつくなってくる。本人も、「なんだかイメージしていた独立像と違うな~(汗)」と嘆く・・・。
それが、従来の受注産業としてのデザイン事務所です。この路線でしか仕事をイメージできないのならば、「デザイン業界って斜陽産業だなー、このごろ本当に厳しいよなー」と思うようになることでしょう。
でも、そうならないように、みんな大手の仕事を狙ったり、コンペで賞を狙ったり、あちこちとネットワークを結んで、仕事が途切れないように工夫して、がんばるわけです。
でも、デザオは思うのです。それでも何とかなるかもしれないけど、それでやっていける事務所や会社の数は減っていくだろうと。だって、「がんばってやっていこうよ!地道に努力すれば何とかなるよ!」という、ある種の精神論ですから。グラフィックデザイナーに外注される仕事は減っていくんじゃないかという、大きな流れに対して、何の対策にもなっていません。
ですから、これからデザイナーになりたいという人は、先輩世代のデザイナー像と違う、新しいビジネスモデルのデザイナーを目指したほうがいいと思います。
例えば、びっくりするくらいデザインできる守備範囲が広い(笑)とか。紙媒体、WEBはもちろん、プロダクトや、インテリア、建築までやりますよ!とかなら、いろんな組合せ技ができるでしょう。(それが難しいから会社という組織でそれをやろうとするのが普通なのですが)
あるいは、全然デザインが及ばなかった分野を見つけて、そこにデザインをプラスするような希少な存在になるぞ!とか、そういう起業家精神のようなものがあるなら、そのための知識やスキルとして、グラフィックデザインの勉強をすることは、大いに価値があると思うのです。
しかし、就職先があるだろうかと悩む中で、そこまで構想をふくらませる余裕がないのが普通の若者です。たとえ余裕がなくても、デザイン会社で仕事をしながら、将来にはそういうことを考えておかないと、ジリ貧になるぞ、気をつけて次のステップを考えるぞ!という気迫を持って、デザイナーをやってほしいと心底思うのです。
次は、グラフィックデザイナーとアーティストの違いについて書こうと思いますー。
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